政策、援助実施、運送業それぞれの観点から物流の可能性を検討
国際協力機構(JICA)は9月26日、公開セミナー「大メコン地域(GMS)におけるクロスボーダー交通の可能性」を開催した。
JICAはこれまで、今後インフラ分野で取り組むべき課題を明らかにするため、2003年度に「社会基盤整備分野における開発援助の経験と展望に関するプロジェクト研究」を実施。04年度には「官民連携(Public-Private Partnership: PPP)によるインフラ整備・運営事業に関するプロジェクト研究」、03~05年度には「プロジェクト・プログラムマネジメント(P2M)のJICA事業への適用にかかる基礎研究」、05年10月から06年7月には「クロスボーダー交通インフラ対応可能性研究」を実施してきた。今回のセミナーは、この「クロスボーダー研究」のフェーズIIがおおむね終了したことを受け、最終報告として開かれた。
当日は、国際協力銀行(JBIC)、開発コンサルタント、商社など民間企業、研究者や学生ら150人近くが集まり、この問題への関心の高さが伺えた。
冒頭では、主催者挨拶として松岡和久JICA理事(当時)がこのプロジェクト研究の背景を説明。人や物が容易に国境を越える今日、国単位ではなく地域への協力という視点をもつ重要性などについて述べた。
JICA公開セミナー
「大メコン地域におけるクロスボーダー交通の可能性」
当日のプログラム(敬称略)
オープニング
主催者挨拶 国際協力機構理事(JICA) 松岡和久
第1部【GMSにおけるクロスボーダー交通の現状と今後】
「クロスボーダー交通に関する現状と課題」
調査団団長 (株)アルメック代表取締役 庄山高司
「GMSにおける陸路物流の可能性」
山九(株)海外営業グループマネージャー 福田規保
第2部【JICAのクロスボーダー交通支援の可能性】
「広域案件の実施に向けたJICAの取り組み」
JICAアジア第一部東南アジア第四チーム長 長谷川敏久
「クロスボーダー交通分野の協力の可能性」
JICA社会開発部第二グループ長 中村明
第3部【パネルディスカッション】
「クロスボーダー交通の将来展望とODAの役割」
<モデレーター>
国際開発ジャーナル主幹 荒木光弥
<ディスカッサント>
東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 吉田恒昭
国際協力銀行開発第二部部長 松澤猛男
JICA社会開発部国際協力専門員 勝田穂積
山九(株)海外営業グループマネージャー 福田規保
(株)アルメック取締役 岩田鎮夫
(「国際開発ジャーナル」11月号P54-55に詳細記事)