特集 2008年度ODA予算徹底詳報[2008.3.5]

[総括]
「アフリカ」と「環境」軸とした予算編成

事業予算ベースでは5%増加

 2008年度の政府開発援助(ODA)予算は、一般会計予算ベースで07年度比4.0%減の7,001億7,300万円となった。一般会計予算でみると、2000年度以降9年連続の減。昨年度と同様の下げ幅となった。

 実質的なODA額である事業予算(ネット)ベース(一般会計予算に加え、各省庁のもつ「特別会計予算」、円借款の原資となる財政投融資資金、国際開発金融機関への出資国債による払い込みを加えた金額)では9,349億7,200万円で、07年度比5.0%増となった。なお、この額は、円借款の回収金(08年度は5,763億6,600万円)を差し引いた額である。

 国内では歳出削減の方針を受け、ことODAについては、政府が経済財政改革の政策として昨年定めた「基本方針2007」にそって、来年度の政府予算についても幅広く歳出削減が行われ、ODAもここ数年と同様、当初から減額ありきで予算編成がなされた。

 一方で、08年度はODAも関係する大きなイベントが控えている。5月に横浜で開催される第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)、7月に開催される北海道洞爺湖サミット、そして10月のJICAと円借款業務の統合による新援助機関の誕生である。

 新援助機関についてはともかく、TICADとサミットについては、アフリカ支援と環境政策について、ホスト国として積極的な貢献を世界に示すことが求められ、増額への期待も高まった。日本が以前から打ち出していた「05年から3年間でアフリカ向けODA倍増」、「05年から5年間でODA全体の事業量100億ドル積み増し」などの“公約”もあり、これ以上ない予算積み増しのタイミングであった。

続きは『国際開発ジャーナル』2008年3月号「ODA予算特集」(P20-36)に掲載!
-08年度各省ODA予算の詳細・特徴を解説-