国際協力キャリアフェア2008開催報告[2009.1.10]

国際協力キャリアフェア2008開催報告
今年も高い満足度

参加者の興味対象団体に広がり

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人の流れが途切れることがなかった各出展者ブース

今年は会場を変更し開催

昨年11月8日(土)、毎年恒例となった国際協力分野で活躍したい人を対象とした「国際協力キャリアフェア2008」が開催された。主催は「国際協力キャリアフェア実行委員会」で、独立行政法人国際協力機構(JICA)と株式会社国際開発ジャーナル社が共催。後援は外務省、社団法人海外コンサルティング企業協会、協賛は財団法人国際協力推進協会(APIC)、味の素株式会社、全日本空輸株式会社(ANA)。

5回目となった今回は、会場を市ヶ谷にあるJICA研究所(旧JICA国際協力総合研修所)から西新宿(ベルサール西新宿)へと移し開催。来場者は前回とほぼ同数の725人を数えた。

学生の割合が増加

今回のキャリアフェアには、開発コンサルティング企業、政府機関、国際機関、教育機関、NGOや企業など、前回よりも10団体ほど多い40団体が参加、キャリア相談、セミナー、各団体ブースでの就職・進学相談などが行われた。参加団体の増加分は、主に政府機関と教育機関。

他方、725人の来場者を見ると、男性が34.3%、女性が65.7%と、例年同様、女性の割合が高くなっている。職業別では、大学生が54.8%、大学院生が12.4%、社会人が27.0%、その他5.8%。全体に占める学生の割合が67.2%に達し、前々回の57%、前回の61.1%からさらに増加したのに対し、社会人の割合は、前々回の37%、前回の32.3%と比較し、減少している。

CSRと留学が選択肢に

今回のキャリアフェアの傾向としては、企業の社会的責任(CSR)の一環として取り組む国際協力や、スキルアップのために留学を選択肢として考えている参加者が目立った。

前回から加わった企業のCSRを紹介するセミナーはどれも盛況で、キャリア相談員からは「企業のCSRに関心を示す人が増えつつあり、国際協力へのかかわり方に広がりが出てきたのではないか」との感想が聞かれた。また、今回から新たに参加した留学関係団体のセミナーは会場に人が入りきれないほどの盛況を見せ、またブースでも、費用や留学の効果など熱心に質問する参加者の姿が見られた。

96.3%の参加者が「満足」

来場者に対するアンケート調査(事務局調べ)によれば、今回のキャリアフェアに対する満足度は、「大変満足」(40.2%)と「概ね満足」(56.1%)を合わせ、96.3%の参加者が高く評価している。その理由に、「今後のキャリア形成の方向が見えた」や「いろいろな団体から直接情報が入手できる」というコメントが多く寄せられた。
一方、「やや不満」(3.7%)との回答もあり(「大変不満」は0%)、その理由の多くは、「休憩スペースがほしい」や「ブースが狭い」といった会場のキャパシティーに関係するものであった。

また、来場者に占める学生の割合が年を追うごとに高くなってきており、「新卒者」よりも国際協力分野に汎用可能なスキルを持つ「社会人」をリクルートしたいと考える参加団体も多いことから、今後、この割合を改善する方策を検討する必要もありそうだ。