【帝京大学 八王子キャンパス】2022 年に国際日本学科を開講 2年次の留学を原則に

写真:日本家屋を模した「OUCHI COMMONS」


学長直下の組織として国際化推進室を新設

帝京大学は建学当初から、国際的視野に立って判断ができる学生の育成を目指し、教育指針でも「実学」「開放性」と共に「国際性」を掲げている。建学50 周年を迎えた2016 年には、留学生も大幅に増加した。
中でも、八王子キャンパスには世界25 カ国からさまざまな国籍の留学生が1,000 人以上集まる。同学は東京(板橋区と八王子市)、栃木、福岡に4つのキャンパスを擁し、人文系学科が集まる八王子キャンパスの学生数は約2万人と最大だ。ただ、留学生の中にはコロナ禍で日本に入国できない留学生も多い。現在、そうした学生たちに対してはオンラインで授業や各種サポートを行っている。
また2021 年4月には、学長直下の組織として国際化推進室を設けた。その狙いについて、室長を務める西岡淳教授は次のように語る。
「日本人学生と留学生が積極的に交流して、多様性に触れ、異文化理解力や広い視野を身に付けてほしいと思っています。本学では優秀な学生に来てもらうため奨学金制度を充実させたり、学生の語学学習のための『TeLaCo』に加え、2021 年4 月から『OUCHI COMMONS』というコミュニケーションスペースを八王子キャンパスに設置して、国際交流イベントにも活用したりしています」

 

新学科の解説や難民受け入れも
八王子キャンパスの経済学部には、2018 年度に国際経済学科が新設された。同学科は1年次と2年次に東南アジア(ベトナム、タイ、フィリピンなど)の大学で海外研修プログラムを受ける機会があり、学生からの人気が高い。西岡教授が担当する「国際協力論」という科目もあり、経済協力や国連・国際組織、持続可能な開発目標(SDGs)などを幅広く取り上げている。
経済学部には、東南アジアの協定校からの学生と共に学べるプログラム(Teikyo Asia ExchangeProgram:TAEP)もある。さらに2022 年4月には、外国語学部の中に新しく国際日本学科を開講する予定だ。定員の3分の1にあたる50 人は外国人留学生で占められ、語学力を備えたグローバル共生社会で活躍できる人材を育成することが狙いだ。「日本人学生は原則として2年次に留学します。他方、外国人留学生には滋賀大学や島根大学へ『国内留学』する機会があり、日本語力を鍛えたり日本文化を体験したりできます」と西岡教授は説明する。
このほか、同学は2019 年度より国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の「難民高等教育プログラム」のパートナー校となった。同プログラムは日本で暮らす難民が奨学金を受けながら就学できるようサポートするもので、同学はシリア難民を学生として受け入れている。

参照:国際開発ジャーナル2022年1月号「大学の国際化最前線」

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