吉備国際大学大学院 連合国際協力研究科(通信制)|国際協力が学べる大学院

実務経験を国際協力の分野に生かす
充実したカリキュラムときめ細かい研究指導

末吉秀二(連合国際協力研究科長 教授)人類生態学を専門とし、1997年からヨルダン農村部での人口動態や、出生力に関する調査を行う

末吉秀二先生(連合国際協力研究科長 教授)人類生態学を専門とし、1997年からヨルダン農村部での人口動態や、出生力に関する調査を行う

幅広い研究領域に対応

 吉備国際大学大学院・連合国際協力研究科は、社会人を主な対象とする通信制の修士課程だ。「人間の安全保障」「人間中心の開発」の理念の下、国際社会の多様な課題に柔軟に対応できる専門家の育成を目指し、2006 年に創設された。09 年には系列の九州保健福祉大学(宮崎県延岡市)との連合大学院となり、研究・教育体制が拡大。一般企業(商社、メーカーなど)、医療関係者(看護師、薬剤師など)、小中高の教員、公務員、国際協力機構(JICA)職員、自衛隊など、幅広いバックグラウンドを持つ社会人学生らが入学している。

 カリキュラムで特徴的なのは、感染症・保健・人口・環境・文化・開発経済・開発教育などの 15 科目を選択科目として設置し、幅広い分野の学修が可能となっている(この 15 科目の中から最低5科目を履修する)ことだ。グローバル化の進展やコロナ禍、ウクライナ問題などを経て国際協力に求められる領域も広がりを見せており、そうしたニーズに応えられる学びを提供してい
る。

 加えて、通信制による制約を補うため、東京会場にて夏期・冬期に各3日間のスクーリン(対面授業)を実施している。このスクーリングでは指導教員などから、きめ細かい研究指導を受けられる。

 そのほか、国際協力分野で求められる人材には、語学力に十分に裏付けられたコミュニケーション能力や調整能力、事後評価能力に加えて、異文化社会において自ら活動できる精神的な強靭さと豊かな人間性も不可欠だ。特に語学については、「学術英語特論」を選択科目として開講しており、英語論文の一般的な形式を習得しながら、学術英語の基礎が身に付くよう指導している。

実践力を養う機会を提供

 「地域調査法特論」のスクーリングも、実践力を身に付ける貴重な機会となっている。兵庫県南あわじ市(淡路島)にある「南あわじ志知キャンパス」を拠点に、地域調査や統計分析の手法を学ぶ。

 学生たちは、それぞれのテーマに沿って住民らにインタビューを行い、地域の課題を分析していく。国際協力研究に欠かせない分析の技術や、現場と研究を結びつける洞察力を身に付ける。

 普段は在宅での研究・学修が中心となるが、担当教員がメールやMicrosoft Teams などで丁寧に指導する。学生は共通必修科目、共通選択科目、総合科目で構成されるカリキュラムの中から、各自の専門分野に応じて履修。科目ごとに必須となっているレポートはインターネット上から提出でき、海外で勤務する学生も学びやすいように配慮されているのが特徴だ。修士論文の執筆は、学生1人に対し3人の教員が指導体制を組み、きめ細かく対応する。必要に応じて対面での指導も行う。

 また、冬期のスクーリング時には、修了生と交流するための貴重な機会が設定され、研究の進め方や進路について、アドバイスを聞くこともできる。

国際協力経験者の入学金免除

 学費面のサポートとしては、国際協力経験者の入学金を免除する制度がある。JICA 青年海外協力隊などの派遣事業経験者、(特活)AMDA(岡山市)の推薦状がある人、自衛隊で国際協力活動に従事したことを証明できる人が対象となっている。近年、国際協力分野でキャリアを積む際には修士号が必須となっており、現場を経験した上で専門性を高めたいという人々のニーズに対応している。

 また、学生間の交流も活発に行われており、毎年同窓会も開催され、修了生を含めたネットワークが構築されている。社会人学生にとって本研究科での学びが異業種交流の貴重な機会となっている。多様な社会経験を持つ学生が切磋琢磨し、個々の実務経験を客観的に評価することができる研究者としての視点を持つには、最適の場といえるだろう。

Student’s Voice/学生の声

看護師として働きながら修士号取得に挑戦 

川波慶子さん(連合国際協力研究科 修士課程 2 年)

川波慶子さん(連合国際協力研究科 修士課程 2 年)

 吉備国際大学大学院に入学したのは、もうすぐ 60歳になるという時です。大学を卒業し、看護師として働きながら多くの人と出会い、本を読んで影響を受けました。そして 3 年前、家族の介護が終わったタイミングで「何歳になっても学び続けるのは楽しいことだ。もう一度、大学院でチャレンジしてみたい」と考えたのです。

 仕事を続けながら、離れた場所でも学べる大学院を探したところ、本学を見つけたので足を運び、入学について相談しました。先生から「長年のブランクがあっても大丈夫」と応援の言葉をいただき、迷うことなく入学を決断。コロナ禍の影響で自宅などからオンラインで講義を受け、レポートを提出する形です。ゼミにもオンラインで参加しています。

 入学の際、研究テーマは特に決めておらず、国際協力についても深い興味はありませんでしたが、修士1年の時に国際協力に関する総論の講義を受けて、基本的な知識を習得できたのは助かりました。仕事で長らく看護に携わったことや、入学後に教員のすすめで読んだ文献から「モンゴルにおける結核予防」を修士論文のテーマにしました。

 昨年、修士号取得に向けた特別研究を始めて、長期履修制度を申請し現在は 3 年目です。教員は社会人指導に慣れており、私の方でわからないことがあれば、個別のオンライン指導でていねいに相談に乗ってもらえます。さまざまな専門分野をバックグラウンドとする学生仲間とゼミで話すのも楽しいですね。

Check!『国際協力経験者の入学金免除』

① 国際協力機構(JICA)の行う青年海外協力隊などの派遣事業に参加し、2年以上の国際協力の経験を有する方(要証明書)

② (特活)AMDAが国際協力の経験を有すると認めた方(要推薦状)

③ 自衛隊に所属し、国際協力活動を行った経験が証明できる方(要証明書)

詳しくは通信教育事務課(TEL.0866-22-9191)までお問い合わせください

<入試に関する問い合わせ> 吉備国際大学 通信教育事務課

〒716-8508 岡山県高梁市伊賀町8
TEL:0866-22-9191
FAX:0866-22-8133
E-mail:tsushin@kiui.ac.jp

2024年度 連合国際協力研究科(通信制)修士課程 入試日程

Ⅰ期入試

出願期間:2023年11月2日(木)~11月16日(木)
入試日:2023年11月26日(日)
合格発表日:2023年12月6日(水)

Ⅱ期入試

出願期間:2024年1月15日(月)~2月1日(木)
入試日:2024年2月11日(日)
合格発表日:2024年2月21日(水)

Ⅲ期入試

出願期間:2024年2月5日(月)~2月21日(水)
入試日:2024年3月3日(日)
合格発表日:2024年3月13日(水)

選考方法:書類審査(研究計画書等)および面接
入試会場:岡山駅前キャンパス(対面面接)、またはオンライン
※その他、詳細は大学院ホームページにてご確認ください。

 

『国際開発ジャーナル2023年8月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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