2021年国際協力キャリアガイド:静岡県立大学/大学院

 

学校紹介
「静岡県立大学/大学院 国際関係学部/国際関係学研究科」
静岡県立大学国際関係学部は、国際関係学科と国際言語文化学科の2学科からなる。2019年度にカリキュラムを刷新し、グローバルな広い視野とローカルな実践力を兼ね備えた人材の育成を目指している。両学科とも1、2年次に国際人としての基本的スキルをしっかりと身に付け、3、4年次には専門プログラムの中から一つを選び、ゼミの講座と合わせて関心を持った分野を掘り下げる。国際関係学部の特徴である徹底した少人数制(専任教員一人当たりの学生数が15人弱)で、こうした教育を行っている。国際関係学科の学生が選択できる専門プログラムは、国際公共政策、国際開発、共生社会の三つ。国際言語文化学科はグローバル・コミュニケーション、比較文化、日本研究、アジア研究、ヨーロッパ研究の五つだ。カリキュラムは自由度が高く、専攻する専門プログラム以外の科目も自由に履修できる。国際関係学部は人文社会科学系の諸分野を広くカバーしているため、教員の専門分野も多岐にわたる。バリエーション豊かな授業を通じ、学生は進むべき方向を少しずつ探っていく。同校は8カ国8大学と交換留学・派遣留学提携を、4カ国7大学と語学研修提携を結んでいる。学生の留学を支援するのは、学内の国際交流業務を担う国際交流センターだ。センターはオンラインの交換留学や海外語学研修など、コロナ禍で渡航できない状況下の留学にも取り組んでいる。卒業後、より専門を深めたい学生は、同大学大学院国際関係研究科に進む場合が多い。一定条件の下、学部3年次から研究科への飛び級も可能だ。返済義務のない同大学独自の奨学金や地元企業による奨学金が学生の学びを支援する

 

 

先生に聞きました!

副学長 内藤 智之先生


開発経済学や国際関係論などの授業を担当しています。途上国には農業の低生産性や農民がお金を借りられない信用問題、教育、健康、労働移動などさまざまな課題や問題が横たわっています。授業ではこれらの問題を包括的に取り上げ、経済学的なアプローチを用いた講義を行っています。私の今のゼミ生は「資本と労働の分配から見た格差問題」「新興途上国における既得権益と経済発展の関係」「日本農業の復活」「繊維産業の発展と持続可能性」といったテーマの研究をしています。皆、経済学に興味があり、関心が途上国に限られているというわけではありませんね。国際関係学部は幅広い分野の教員をそろえています。「国際」といっても日本の中の国際、例えば在日外国人の問題を扱っている先生もいます。広い意味での国際に関心のある学生は、さまざまなことを学べます。今はコロナ禍で受験生も大変だと思いますが、地方の県立大学としてはサポートも充実していますので、積極的に受験を考えてくれるとありがたいですね。


学生さんに聞きました!

国際関係学部 国際関係学科3年 小川 彩華さん
高校時代は英語部に所属し、清水港に停泊した豪華客船の外国人客に静岡の見どころを説明するボランティアを経験しました。その時、地元のことや海外の事情について知識が足りないことを痛感し、地元で国際関係や国際協力が学べるこの大学に進学しようと決めました。入学後は静岡県立大学公認の「静岡学生NGOあおい」というサークルで活動しています。サークルの理念は「アジアの子どもたちが自らの意志と努力によって将来の可能性を広げ、より多くの人々が幸せを実現できる社会環境の構築に貢献する」というものです。この理念の下、今はカンボジアで男の子の性的搾取を防ぐ活動をする団体に対して、資金的サポートやプロジェクトのモニタリング、評価などを行っています。関心があるのは、経済学の視点から見て途上国をどのように支援していったらいいかということです。それだけでなく、日本の社会的弱者への支援についても学び、地元で取り組んでみたいという気持ちもあります。授業で持続可能な開発目標(SDGs)に触れ、世界に格差が生まれたのは先進国にも責任があることを知りました。ですから私たちには国際協力を行っていく責任があると思います。卒業後は県内で就職するつもりですが、国際協力に関わっている企業で私もその活動の一助になれればと思っています。
 
(本内容は、取材当時の情報です)

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

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