「日本大学/大学院 生物資源科学部国際地域開発学科/生物資源科学研究科」
先生に聞きました!
生物資源科学部国際地域開発学科 教授 倉内 伸幸先生
私の専門は作物学・育種学で、途上国の人たちが食料とする植物を品種改良し、収量を上げたり、より栽培しやすくしたりする方法を研究しています。他大学の農学部に比べ「日本ではあまり注目されていないが、現地においては非常に大切な作物」について学び、人々の生活に役立てられるのが当学科/研究科の大きな特徴です。学部で担当しているのは、ヤムイモやキャッサバなど熱帯地域で利用される作物の特徴や栽培方法を学ぶ「熱帯資源作物学」と、国内外さまざまな作物に関し人々がそれをどう利用してきたかという文化的背景を学ぶ「作物と食の文化」。本学科は「文理融合学科」であり、学生の興味も、農業や食文化、農村経済などさまざまです。既成概念にとらわれず、多面的な角度から研究視点を持てる学生が多いと感じています。大学院に進学する学生も多く、そうした学生に対しては、早い時期から学部・大学院一貫しての研究に着手できるよう配慮し指導にあたっています。
学生さんに聞きました!
トキタ種苗株式会社 2021年3月生物資源科学研究科修了 石崎 優美さん
現在種苗会社で働き、種子生産課という部署で主に海外の採種会社とのやりとりを担当しています。種苗会社の多くは海外で種を採取しているため、作物の種類や作付けの面積、収穫予定量などの打ち合わせや、品種の特性に合わせた栽培指導などが業務内容になります。取引先の国・地域は中国、チリ、北米、南アフリカ共和国、タイなど。今は新型コロナウイルス感染症で出張はありませんが、コロナが収まれば現地での農家指導も行っていきます。私が「種苗」という言葉を知ったのは大学1年生の時。キャリアデザインの授業にれた卒業生の話を通じ「普段何気なく食べている甘いトマトは、自然に誕生したのではなく、人の手による品種改良で生まれた」と知り、自分も品種改良に携わりたいと思うようになったのです。学部・院での研究テーマは「空心菜の遺伝的研究」。主に中国や東南アジアで食べられる空心菜は、実は世界中に分布しています。世界各地の空心菜を集め、家系図のようなものを作りました。先生方の専門が幅広いのはもちろん、さまざまな地域を専門とする先生がいるのがこの学科/研究科の良いところです。協力隊経験者も多く、自分の興味のある分野と地域、それぞれについて「現地に行かなければ知ることのできない話」が聞けたのも、将来の進路を決めたり自分の研究を深めたりする際に、とても役に立ちました。
(本内容は、取材当時の情報です)
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