総合的なサービスで国際開発業界を牽引
パデコは、アジア開発銀行の技術協力(TA)契約額が世界で上位クラスにランクされる”日本発の国際コンサルティング企業”だ。設立当初は運輸・交通、環境などの分野での計画策定といったソフト部門からスタートし、この10年でハード部門にも事業領域を拡大。国際協力機構(JICA)や相手国政府など主なクライアントに、現在までに世界110ヵ国以上で業務を行い、鉄道や道路・橋梁、港湾整備といった大規模プロジェクトで実績を残している。大型円借款案件「ムンバイメトロ3号線建設」「ムンバイ湾横断道路」「インド高速鉄道」に加えADB借款案件「バングラディシュ都市給水」事業などがその例だ。今後は世界ブランド力を活かし、民間企業の案件にも積極的に取り組んでいく。
パデコの仕事を支えているのは、さまざまなバックグラウンドと専門性を持つ国際色豊かなスタッフ。そのため、多種多様な国籍や経歴、専門性を持つ人材の採用に努めている。同社のコアバリュー「多くの人の未来のためのPAn DEvelopment COnsultants」。
「いかなるボーダーも越える」「多様性を尊重する」に基づき、自ら学び行動する人を求める。コンサルタントとスタッフがチームとなってプロジェクトマネジメントを行うため、プロとしての自覚は欠かせない。
2021年には、神奈川県横浜市のサッカーチーム「Esperanza S.C.」とスポンサー契約を締結。独自のキャパシティーで社会貢献をするアプローチに共感し、パートナーとして活動中だ。
当社の“2030年構想”
各国の省エネ政策に
日本の強みを生かす
パデコでは、各国の省エネ政策の導入、運輸交通分野でのエネルギー利用の高度化・効率化やクリーン・エネルギーの利用促進、さらには環境に配慮した農業や都市整備など、多数の受注案件を通じて各国のカーボンニュートラルを促進している。
インフラ開発部の宮浦杏那さんは、エジプトの省エネを推進するための行政能力の強化や省エネ推進戦略ロードマップ作成などを進めるプロジェクトと、カリブ4ヵ国の省エネと再生可能エネルギーを推進する案件に従事している。「省エネや環境対策は企業側のコストを要する場面も多い分野。その国にとってどのような整備方法がよいのか、日本が培ってきたこの分野の強みを生かしながら提案をしていきたい」と語る。
社員さんに聞きました
国際協力の仕事を通じて
感じた面白さや魅力を
SNSで積極的に発信
現在、バングラデシュで行っているJICAの「金融包摂強化プロジェクト」に従事しています。
同国は自然災害が多く、脆弱な貧困層の人々はより経済的な被害を受けやすいため、保険などの金融サービスと、それ以外の幅広いリスク軽減手段を組み合わせて提供する仕組みを整備しています。コロナ禍でしばらく現地に行けない時期が続いていましたが徐々に渡航制限も緩和され、サイクロン被害が多く発生する村をカウンターパートや現地スタッフと一緒に訪ねて、ヒアリングなどを行っています。
この他にも、中南米・カリブ地域が抱える社会課題に日本のスタートアップ企業をマッチングさせる調査案件や、ヨルダンで死海を利用した製品やウェルネスツーリズム振興のための調査案件などに携わり、国際協力事業の多様さや面白さに改めて魅力を感じています。
私自身、学生時代にこの分野の仕事について知る機会が少なく情報不足を感じていました。社内で広報チームを立ち上げ、SNSなどを通じて弊社の業務や社員について積極的に発信しています。
略歴
16歳:高校の授業で見た、途上国の子どもたちの厳しい暮らしの映像に衝撃を受ける
18歳:大学は国際公共政策学科へ。国際政治を学ぶ一方、ミャンマーとの交流事業などに参加
22歳:途上国の発展に寄与するような事業に関わりたいと総合商社に入社し、経理に従事
26歳:国際開発に携わる若手人材の育成に力を入れているパデコを知り、入社
会社データ
名称:株式会社パデコ
設立:1983年
資本金:1億円
従業員:131人(2022年5月現在)
本社:東京都港区
海外拠点:地域オフィス/ジャカルタ、ハノイ、ブカレスト、トビリシ、ムンバイ、ダッカ
現地法人:インド
住所:〒105-0004 東京都港区新橋6-17-19
Tel:03-5733-0855
Mail:admin@padeco.co.jp
Twitter:@padecosdgs
Linkedin :https://www.linkedin.com/company/padeco/
『国際協力キャリアガイド22-23』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)