2年次から全員が留学
海外インターンシップやボランティアも
構内に米国テンプル大のキャンパス
昭和女子大学は、1920年に「日本女子高等学院」として創設され(49年に改称)、今年で100周年を迎えた。88年には海外留学を望む学生たちの受け皿として米国マサチューセッツ州の州都・ボストンに海外キャンパス「昭和ボストン」を開学するなど、グローバル教育にも早くから力を注いできた。
2017年の改組によって誕生した国際学部は、国際学科と英語コミュニケーション学科を擁し、両科の全員が2年次から半年~2年間留学する。国際学科の学生は英語に加えて中国語、韓国語、ベトナム語、ドイツ語、フランス語、スペイン語のうちの一つを選択して学び、2年次から昭和ボストンや各国の協定校などでさらに語学力を磨き、地域・社会・文化について深く探究する。留学中には地域コミュニティーでのボランティア活動なども行うことができる。加えて、同学科の米倉雪子准教授は、「本学の構内には米国テンプル大学ジャパンキャンパスがあり、徒歩数分で『国内留学』(英語基準などあり)もできます」と語る。このほか2年次後期より中国か韓国の大学で、もしくは3年次後期より米国テンプル大学ジャパンキャンパスで2年学び、計5年間で2つの学位を取得できるダブルディグリー・プログラムも用意されている。
カンボジアの大学と小学校で実習
同大学では毎年、カンボジアで教育ボランティアも行っており、国際学科の学生と他学科で教職科目(児童英語など)を取る学生が参加する(単位も認定される)。同国の小学校で日本文化を紹介したり、英語を教えたりする一方、王立プノンペン大学で日本語教育の実習を行う。授業内容は毎回、学生が考案しており、現地教員の指導も受けて実習し、帰国後には自らの経験を発表する。
同大学の附属昭和高等学校にも「高大連携」の一環として、海外で活躍するリーダーとしての素養を学ぶべく、カンボジアで情報誌発行や有機農園・レストラン経営などを行う日本人起業家を訪ねる海外研修がある。「国際学科でも海外インターンシップやボランティアに挑戦する機会があります。留学や海外交流を経験すると、高校生も大学生も目に見えてたくましくなり、就活などでもコミュニケーション力や課題解決力が生きるようです。異国コミュニティーに入り、『自分に何ができるか』『自分の力をどう磨き、社会に役立てるか』を各自が考えることが、異文化理解や国際協力の大きな助けになります」と、米倉准教授は力を込める。「本学科では異文化の人々と協働する力をつけたい人、共感・対話する力を磨いて民間企業、国際協力機関などで国際貢献をしたい人の入学を待っています」。
※グローバル化の時代、大学・大学院など高等教育の現場でも国際化が進んでいます。このコーナーでは、アジアをはじめ世界とのさまざまな「知的交流」に向けた取り組みや国際協力を学べる大学を紹介します。情報提供お待ちしています。
『国際開発ジャーナル2020年4月号』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)