株式会社建設技研 インターナショナル|国際協力に携わる企業(21-22)

技術に根差した解をインフラ部門で提案

 日本初の建設コンサルタントである建設技術研究所(CTIE)に1975年、海外業務室が設置され、その後海外事業部へ拡大。1999年に分社化し建設技研インターナショナル(CTII)が発足。設立当初は「水分野に強いコンサルタント」として水資源管理や防災分野などで実績を伸ばし、現在は交通や都市・環境分野にも力を入れる。

 開発途上国や新興国が急速に発展し政府開発援助(ODA)の役割も変わる中、国際機関や現地政府、企業などが実施する多様な国際プロジェクトに参画し、事業の発掘・形成から調査、計画、設計、施工監理、さらに現地パートナーの能力開発までソフト面を含む総合的なサービスを展開。国際協力機構(JICA)理事長賞や土木学会賞など数々の賞を受賞し、国内外から高い評価と信頼を得ている。

 CTIIの技術力はどのように磨かれるのか。まず入社後4年間、CTIEに出向して国内業務に従事し、コンサルタントとしての基礎を習得する。加えて、新入社員研修をはじめ、海外OJTや階層別の研修、技術士資格や語学試験のための充実したサポートもあり、技術力に磨きをかけていく。

 相手国の社会的課題を的確に把握し、技術に根差した解決策を提案するCTII。文化や歴史、経済など国や地域によって異なる背景を考慮しながら真に役立つ提案をし続ける開発コンサルタントの仕事は、責任が大きく、決して楽ではないが、現地の人々の笑顔を一番近くで見られるのはこの仕事ならでは。

 経験豊富な先輩社員と充実した研修制度の下、「実力」と「経験」を兼ね備えた技術者へと成長できる道がある。さらなるグローバル展開を担える人材に期待している。

事業分野/採用情報

事業分野:水資源、防災、道路・橋梁・交通、環境、社会開発、上水道、下水道・排水、エネルギー

募集職種:技術職(開発コンサルタント)、営業企画職
募集人数:中途採用:随時、新卒採用:5~7人

わが社の働き方改革

働きやすさを重視し制度を拡充

 CTIIは、在宅勤務制度やフレックスタイム制を導入し、時間と場所にとらわれない働き方を推奨している。社員からは「通勤にかかる時間・身体的負担が軽減され、業務に集中できる」「両制度の併用で家事・育児との両立が可能になり家族との時間が増えた」などの声が寄せられているという。開発コンサルタントは海外で過ごす時間が長いため、海外出張時の労務環境の充実を図ることはもちろん、国内でプライベートの時間を十分に確保するための制度拡充にも取り組んでいる。

 また、育児・介護と仕事を両立させるための休業・休暇制度も整え、「子育てサポート企業」として厚生労働省の認定を受けており、近年では男性社員の育児休業取得も増えている。

 この他、キャリア形成支援やリフレッシュ休暇などを通じて、社員一人一人が自分らしく、長きにわたって生き生きと働き続けられる職場環境づくりを進めている。

社員さんに聞きました

水資源部 技術士(建設部門)酒井 裕和さん

10歳 阪神・淡路大震災を経験
登山好きの両親の下、自然に親しみながら幼少期を過ごしました。小学5年生の時、阪神・淡路大震災を経験。被災者向け復興支援プログラムでオーストラリアへ渡り、英語には苦労しましたが、異文化体験は楽しい!と実感。

20歳 大阪府立大学農学部へ
環境分野に関心があり農学部へ進学。農業土木を学び、研究室では少ない水で作物を育てる“節水灌漑(かんがい)” を研究。不織布を活用した地中灌漑に取り組み、電力を使わず給水量を調節して作物を育てました。授業以外はアメフト漬けの日々。

24歳 シリアで土地保全研究
鳥取大学大学院農学研究科に進学。10カ月間、シリアの国際乾燥地農業研究センター(ICARDA)に留学し、国連開発計画のプロジェクトに従事。クルド人家庭にホームステイしながら傾斜地オリーブ畑の土壌侵食をテーマに研究。

27歳 建設技研に入社
「環境」をキーワードに海外で働く道を求めてCTIIへ。入社後4年間、CTIEでダム湖の水質や都市用水使用水量の分析、洪水対策などに従事。その時に学んだ河川の基礎知識やデータ処理の技術は、現在の海外業務に活きています。

31歳 海外事業を担当
CTIIに戻り、日・ASEAN統合基金による災害リスク評価プロジェクトに2年半ほど携わりました。提案した洪水リスク評価手法が東南アジア諸国連合(ASEAN)域内での洪水リスク評価の促進に活用されることを期待しています。

PROJECT FOCUS

ミャンマーでのワークショップ

多様性の中で得た学び

 日・ASEAN統合基金(JAIF)による災害リスク評価プロジェクトに携わり、ミャンマーとラオスの河川流域で、洪水による浸水想定区域や被害の影響を調査・分析して洪水ハザードマップ・リスクマップを作成しました。また、現地政府の担当者を対象に洪水リスク評価の手法を伝える研修を実施し、他のASEAN関係者と共に洪水リスク評価のガイドラインも作成しました。

 プロジェクトメンバーの所属や出身国は多様で、リーダーは地球環境戦略研究センター(IGES)のタイ人、気候変動と土砂災害リスクの評価担当はアジア災害防止センター(ADPC)のインドネシア人とスリランカ人。国際色豊かでコミュニケーションの難しさを感じましたが、作成した洪水ハザードマップとリスクマップが「精度が高くて避難計画などに活用したい」と言ってもらえた時は達成感を感じました。

 開発コンサルタントには、専門知識だけでなく異文化理解や語学力を含めた総合力が求められます。これからも業務を通じて学びながら、より良い技術者を目指します。

企業情報

設立:1999年
資本金:1億円
従業員数:173人(2021年4月現在)
本社;東京都江東区
海外拠点:マニラ、イスラマバード、ウランバートル、プノンペン、ジャカルタ
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸2-25-14 立花アネックスビル
Tel:03-3638-2561
Mail:shinsotsu@ctii.co.jp(新卒)
   recruit@ctii.co.jp(中途)
HP:https://www.ctii.co.jp/

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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