株式会社コーエイリサーチ コンサルティング|国際協力に携わる企業(21-22)

ソフト分野のリーディングカンパニー

 コーエイリサーチ&コンサルティングは、日本を代表する総合建設コンサルティング企業である日本工営グループの一員であり、国際開発援助のソフト分野のリーディングカンパニーとして、民間セクター開発、ファイナンス、ガバナンス、教育・産業人材育成、保健・医療、平和構築などの分野でコンサルティングサービスを提供している。

 同社の強みは、あらゆるニーズに応える幅広い分野の専門家を擁し、総合力を活かして、プロジェクトの発掘から実施までサービスを一貫して提供できることだ。例えば今、多くの途上国が国際市場への参画を目指し、産業開発を推し進めている。その中で、経済インフラにかかる法制度整備などビジネス環境整備から人材育成までをアジアやアフリカなどで取り組んでいる。

 社員は入社時の年齢や役職に応じて日本工営グループの階層別研修を受講する。社内研修の他にも専門性を高めるための自己啓発を奨励しており、自身の専門性に関する社外の研修の受講や学会での発表も応援している。

 社員一人一人が各分野の専門家としてプロ意識を持ち、社員同士がお互いを尊重し合って自律的に仕事をしているが、個人主義ではない。自主的に勉強会を開催して知識やノウハウを社内で共有するなど、切磋琢磨(せっさたくま)しながらみんな で成長していこうという雰囲気がある。立場や年齢に関係なくわからないことを教え合ったり、建設的な議論ができたりする風通しの良い組織だ。

 プロジェクトごとに毎回異なる課題やクライアントの下で継続して付加価値を創造していくためには、常に学び続新しいことにチャレンジしながら常に成長しようとする方の応募を待っている。

事業分野/採用情報

事業分野:産業開発・民間セクター支援、プロジェクトファイナンス、教育、産業人材育成、保健・医療、社会保障、地域開発、平和構築、建築設計、機材計画、総合計画(国内自治体)・まちづくり

募集職種:国際開発コンサルタント(海外)
募集人数:若干名

我が社の働き方改革

サテライトオフィスも利用可能

コーエイリサーチ&コンサルティングでは、かねて週1日で運用していた在宅勤務制度を、コロナ禍でフルリモートへと大幅にシフト。現在の実質的な出社率は3割程度。今後フルリモートを続けるか、ある程度の出社を義務付けるか、アフターコロナの運用を検討中だ。また、フレックスタイム制度もコアタイムを設けて運用していたが、海外とのやりとりが多い部署では時差の問題が生じてしまうため、在宅勤務時はコアタイムを撤廃した。

 人事・総務部長の秋谷真琴さんは「結果的に育児や介護などに携わる人もより柔軟に働ける職場になったと思う。現在は、ある意味ソフト系の開発コンサルタントの働き方の転換期。さまざまことが試せる時期なので、状況を見ながら今後も柔軟に対応していきたい」と言う。なお、希望する社員は親会社の日本工営が設けている4カ所のサテライトオフィス(大宮、横浜、三鷹、西船橋)でのリモートワークを選ぶこともできる。

社員さんに聞きました

社会開発グループ 主任コンサルタン 田中 洋子さん

20歳 開発人類学に出会う
高校時代から国際協力と伝統的な文化研究に興味があり、中央大学総合政策学部に入学後、両分野が交わる「開発人類学」を知りました。人類学のゼミや学外の勉強会で学びつつ、第二外国語としてインドネシア語を学び始めました。

21歳 インドネシアに私費留学
途上国に関わる仕事をするには現地を知らなくてはと、1年間休学してインドネシアの大学に私費留学しました。伝統的産婆と政府の進める西洋医学に基づく医療がどう交わっていくのかを現地で調べて卒論のテーマにしました。

24歳 経験を積むために協力隊へ
国際協力の世界は現場経験がないと採用されにくいと思い青年海外協力隊に参加。イン水路をつくりドネシアの農村で活動するNGOに派遣され、水路をつくり、それを管理する組合を組織するお手伝いをしました。

27歳 大学院で学ぶ
協力隊での体験をもう少し深めたいと、東北大学大学院の農学研究科で、インドネシアの地域研究、開発経済学が専門の先生の下で学びました。農学や経済の基礎が弱く授業は大変な部分もありましたが、無事修了しました。

35歳 やはり現場を選んだ
開発コンサルタントの現地スタッフや国際協力機構(JICA)の企画調査員としての仕事を経て、現場で直接プロジェクトに携わりたいと思い、企画調査員時代に仕事でご一緒させていただく機会もあったKRCに入社しました。

PROJECT FOCUS

農業用水路管理の現状を村役場職員(男性)から聞く

自分の原点に戻ってきた

 現在、インドネシアで灌漑(かんがい)のプロジェクトに携わっています。日本の円借款でジャワ島の稲作地帯の老朽化した灌漑施設を改修する大規模事業ですが、そのうちのソフトコンポーネントとして、水利組合の設立と強化、水利組合員と政府機関職員の研修実施にかかる業務を担当しています。

 農家の方たちが今どのように農業用水・水路を管理しているのか調査を進めているところです。今は村単位で管理している地域が多いようですが、灌漑施設の改修後は、複数の村からなる組合設立・管理に変わる地域も出てきます。その時どのような組織なら受け入れられるか・機能するかをインドネシアの人たちと一緒に考えていきます。

 その土地の文化・慣習と政府が主導する施策のすり合わせという意味では、学生時代、協力隊時代に取り組んだことと同じですね。原点に戻ってきた感じです。これまでずっとインドネシアの人たちにお世話になっていますので、仕事を通じて恩返しできたらという気持ちで、楽しみながら取り組んでいます。

企業情報

設立:2017年
資本金:9,900万円
従業員数:121人(2021年7月1日現在)
本社:東京都千代田区
住所:〒102-0083 東京都千代田区麹町4-2-7 麹町4丁目共同ビル9階
Tel:03-3265-8311
Mail:info-krc@k-rc.co.jp
HP:https://www.k-rc.co.jp/

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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