写真:新たに「タウファアハウ・トゥポウ4 世埠頭」と名付けられた施設全景
<無償資金協力>
国内を就航する旅客船が快適に使える港に
トンガ
国内輸送船用埠頭改善計画
コンサルティング:(株)オリエンタルコンサルタンツグローバル
施設建設:東亜建設工業(株)
大小172の島々からなる南太平洋のトンガでは、船舶が重要な輸送インフラだ。首都ヌクアロファの港には、国際貨物船や島嶼間輸送用の大型船舶が寄港するクイーンサロテ埠頭、国際旅客船・軍船用のブナ埠頭、小型船舶用のファウア埠頭がある。だが、クイーンサロテ埠頭では旅客輸送と貨物輸送が同時に行われるため、危険な運用を強いられていた。屋内待合所がなく乗船客には劣悪な利用環境であった。また、特異なバース形状が船舶には危険な操船を求める上、悪天候時には高波の影響を受けやすいといった問題もあった。
そこで、トンガ政府はファウア埠頭を大型船舶も着岸できる国内船専用埠頭として改修・整備し、クイーンサロテ埠頭を国際貨物船専用とすることで、問題の解決を図った。これに伴い無償資金協力の要請を受けた日本政府は、2015年6月に同国政府と本計画の書簡を交換。ファウア埠頭の岸壁を大型貨物船2隻が同時に接岸・荷役作業できるよう改修が行われた。具体的には大型船舶の通行に合わせて航路幅を広げ、海底を浚渫したほか、3階建ての旅客用ターミナルビルを新設した。安全性と利便性を高めるために荷役ヤードや駐車場の舗装などを整備した。このうち、高波を抑えるため同埠頭の北側250mにわたり設けた防波堤は、サイクロンなど悪天候が起こった際の避難港となるようにも設計されている。18年6月に現地で竣工式が行われ、トゥポウ6世トンガ国王・王妃や石井哲也特命全権大使などの要人が臨席。ポヒヴァ首相も日本および関係者らに謝意を示した。埠頭は新たに「タウファアハウ・トゥポウ4世埠頭」と名付けられた。
『国際開発ジャーナル』2019年4月号掲載
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