PROJECT FOCUS
ラオス

<無償資金協力>
 
  

輸入電力に頼らないための地方電化

  
 

 

ラオス
小水力発電計画

コンサルティング:東電設計㈱、東京電力㈱※
※契約当時の社名。
施設建設:㈱安藤・間           

 

 

 ラオスは、地方部を中心に電力の供給が遅れており、2000年時点の世帯電化率は36%にすぎなかった。そこで同国政府は「2020年までに世帯電化率を90%に引き上げる」との目標を掲げ、12年上半期に同国全体で80.1%を達成した。他方、中国と国境を接する最北部のポンサリ件は23%と同国で最低の世帯電化率に留まっていた。
 ポンサリ県を含む地方部では、発電施設から数百kmにわたって電力を供給している場合が多い。このため途中で電圧低下や送電ロスを招きやすいほか、送電施設などの事故の影響が広範囲に及びやすいなど、問題が山積していた。さらに同県では不足する電力を中国から年に約3ギガワットも輸入しており、これが財政の大きな負担ともなっていた。
 このため、本計画ではポンサリ県に環境負荷が少ない少水力発電所が建設された。加えて周辺の実電力化集落に向けて合計58kmの配電線も敷設された。水車や発電機は日本から調達したものだ。発電所は同県が保有し、電気料金の徴収も行う。発電所の運転、維持・管理については新たに設立された県地方電化基金が担うが、本事業では同基金の能力向上のための支援も併せて実施した。
 工事は13年12月から始まり、15年2月末に完了した。竣工式ではポンサリ県副知事が発電機のスイッチを入れ、関係者と喜びを分かち合った。同県の電力の大半を輸入に頼らず供給できれば、電気料金も抑えられ、現地住民の生計向上が期待できる。同県では引き続き電化事業を推進し、2020年までに世帯電化率70~80%の達成を目指すという。

『国際開発ジャーナル』2019年2月号掲載
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