農村部で学校に通うマリの子どもたち。笑顔の絶えない社会を目指し、地域住民の視点で業務に取り組む
POINT
・仏語圏アフリカと中東に強い
・地域の実情に精通した専門家が多数終結
・他の民間企業との連携事業にも注力
仏語圏アフリカを中心に村落開発や農業開発、地方給水、環境、教育、保健などの分野でプロジェクトを手掛けるアースアンドヒューマンコーポレーションは、「地域住民の視点」を大切にしている。設立20年を経て、事業を展開する地域は中東、中南米など世界中に広がっている。現在実施中の案件は、セネガルの「小規模園芸農家能力強化プロジェクト」、エチオピアの「水技術機構(EWTI)研修運営管理能力強化プロジェクト」、ヨルダンの「シリア難民ホストコミュニティ地方部における村落保健センターのサービス向上プロジェクト」など、多岐にわたる。
設立者のひとり、深井善雄代表取締役は「緑の推進協力プロジェクト」のメンバーとして、セネガルに派遣された青年海外協力隊OBだ。そうした縁もあって、設立当初は西アフリカ諸国で活動した協力隊OB・OGが集まった。現在も社員の半数以上を協力隊経験者が占めており、個性あふれる社風が特徴だ。深井代表は社員に対して「ミドルダウン・ミドルアップ」という考え方を打ち出している。具体的には、社員が地域の末端まで入り込み、住民の本音とニーズを徹底的にくみ上げると同時に、先方政府やドナーの政策方針を把握して、双方のマッチングを図る。その上で資金が足りなければ、新しいドナーにつないでいく手法だ。政府開発援助(ODA)案件への参画に加え、日本の商社とセネガルの蜂蜜生産者を橋渡しするなど、民間企業との連携事業で新たなビジネスの可能性の発掘にも注力している。
企業情報
<h5=”background-color:#48d1cc;”>設立:1996年
資本金:1,000万円
従業員:21人(2017年6月現在)
本社:東京都町田市
事業分野:村落開発、農業開発、自然資源管理、教育、保健、環境
採用情報
募集職種:開発コンサルタント
募集人数:若干名(不定期に募集)
募集人材:理系、中途、学士、修士
社員に聞きました!
佐藤 向陽(さとう こうよう) さん
事業部第2課
(静岡大学大学院農学研究科森林資源科学専攻修了)
<これまでの主な担当プロジェクト>
・セネガルの土壌劣化対策と関係者の能力強化
・カメルーンの森林資源管理
・中部アフリカの生物多様性保全や気候変動対策
静岡大学農学部を卒業して同大学院農学研究科(修士)に進学。休学して青年海外協力隊でブルキナファソ派遣
青年海外協力隊時代
高校時代から漠然とアフリカに行きたいと思っていました。大学の研究室で青年海外協力隊を目指す人に出会ったのがきっかけで、私も応 募したところ合格し、大学院を休学してブルキナファソに渡りました。日本の支援で改修された苗畑で苗木生産を指導したり、小学校で苗木の育て方を教えたりしました。雨期が来ると、それまでの乾いた大地が見違えるほどの緑で埋まり、人が隠れるまでの高さに穀物が育つダイナミックなアフリカの風景に魅了されました。
大学院を修了。愛知県の造園会社に就職
最初の就職から転職まで
まずは専門分野を磨こうと造園会社に就職し、造園工事の現場監督や顧客への技術提案に携わりました。国内業務ばかりでしたが、顧客や協力会社の方たちと納得いくまで話し合いながら業務を進めて信頼を深めた経験は、今の仕事でも役立っています。ちょうど30歳の頃、協力隊時代に知り合ったアースアンドヒューマンコーポレーションの方から「若手人材を求めているので来ないか」と誘われ、転職を決めました。
アースアンドヒューマンコーポレーションに転職
マリで湿地の保全調査に従事
再びアフリカへ
入社3カ月目にマリでの開発調査に従事したのを皮切りに、セネガルやカメルーンといった国々で土壌や森林の保全プロジェクトに取り組 むようになりました。最近は、カメルーンに本部のある中部アフリカ森林協議会の支援も手掛けています。
印象深いプロジェクトや業務は?
セネガルの「劣化土壌地域における土地劣化抑制・有効利用促進のための能力強化プロジェクト」は、2011年から今年の3月にかけて実施された案件です。私はこのプロジェクトに開始時から携わってきました。当初はフランス語に不慣れだったため、現地住民やスタッフとの意思疎通に苦労しました。チームの先輩に教わりながら、衛星画像を解析して土壌劣化状況の地図を作成したり、報告書をまとめたりして経験を積み、時には難色を示すセネガル人カウンターパートを「この方法でやりましょう」と強く説得したこともあります。おかげで会話能力が向上。コミュニケーションの大切さも改めて実感しました。
この仕事を目指す読者へ一言
できるだけ多くの人と会って縁をつくることが大切です。私も協力隊時代のつながりで当社に入社しました。また、相手と直接話し合った経験は、後々まで記憶に残りやすく、意外なところで役立つことがあります。特に外国人と接する時は、言葉や文化的背景の違いから生じる誤解を防ぐためにも根気強く話す必要があり、それにより信頼を得ることができるのです。
<Company Data>
㈱アース アンド ヒューマン コーポレーション
代表者 代表取締役 深井善雄
〒194-0041 東京都町田市玉川学園8-3-23
TEL 042-710-7661 Email ehcjapan@ehcjp.com
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