静岡県立大学/大学院

大学院情報
経済学系と人類学系の科目から構成される国際開発プログラムで理論的視座と実践力を養う
地元の課題に取り組む実体験を、国際社会の課題解決を考え行動する原動力に
「地域の拠点」「知の拠点」として、住民や企業と連携し、大学の知見を地域に還元する
取得可能な学位:学士(国際関係学、国際言語文化学)、修士(国際関係学、比較文化)

定員:国際関係学部180人、国際関係学研究科10人

学費:大学・大学院ともに 入学料=14万1,000円(静岡県在住)/36万6,600円(県外在住)
授業料=53万5,800円(年間)

開講形態:昼

奨学金:あり

所在地:〒422-8526 静岡市駿河区谷田52-1
Tel:054-264-5102(代) Mail:admi@wilmina.ac.jp

 

 ここがポイント 

「国際開発プログラム」を新設

静岡県立大学国際関係学部には、国際関係学科と国際言語文化学科がある。同学部は2019年度入学生から新カリキュラムを導入し、基礎教育の充実とキャリアを見据えた専門力の強化を図る方針だ。国際関係学科が目指すのは、貧困や紛争、環境、人権といった地域と国際社会の課題を解決する力の育成だ。新カリキュラムでは、1・2年次向けに英語力やフィールド調査のスキルなどを身に付ける四つの基礎科目を設置。英語の授業は、各学生がテーマを決めて調べたり、発表したりする中で英語力を鍛える実践的な内容だ。一方、3・4年次向けには、「国際公共政策」「国際開発」「共生社会」の三つの専門プログラムを設置する。中でも国際協力の分野を目指す学生に有益なのが、国際開発プログラムだ。同プログラムの科目は、経済学系と人類学系で構成され、理論的な考え方と地域の実情に即した現場感覚の両方を身に付けることができる。さらに、同学科では地域と世界をつなぐ視点を重視しており、教授と学生が共に地元企業の事業や地域の獣害に関する調査に取り組むなど、大学の知を地元に還元する取り組みが盛んだ。地域社会に根差した活動とその成果が、世界の課題解決の糸口を探り、行動に移す力の育成につながっている。

在学生に聞きました

渡辺 梓さん

国際関係学部 国際関係学科 4年

 

同じ課題を抱える仲間マサイと地元をつなぐ

私は地元の静岡県で、自身の関心地域であるアフリカについて学べることに魅力を感じ、静岡県立大学国際関係学部に入学しました。授業を通じてアフリカの貧しさと近代的な側面の双方を学ぶうちに、現地への思いが高まり、2年次にはゼミの先輩に同行してケニアに足を運びました。10日間の滞在中は、マサイの村を訪れて、「日本とアフリカの地方部で共通の課題を見つけよう」というテーマで活動したんです。地元・牧之原市とマサイの村に共通する課題といえば獣害。現地で話を聞く中で、動物の種類や被害の内容は違っても、両地域の人々は同じ課題や気持ちを抱えていることが分かりました。この活動では、日本企業に協力を仰いで獣害対策用品を現地に寄付し、その効果を調査して企業にフィードバックする取り組みも行い、ビジネスを通じた国際協力への理解も深まりました。今夏は、英語力を磨きつつ、見分を広めるために、南アフリカ共和国へ留学にも行きました。

教授陣の声

宮崎 晋生先生

国際関係学部 講師

 

地域は生きた教材の宝庫課題の発見と実践を

私は企業の国際戦略や組織経営を中心に教えています。本学は文部科学省の「文部科学省地(知)の拠点整備事業」選定校として、地域振興に力を入れてきました。当学部の学生は、県内企業の海外展開に関するフィールドリサーチなどを通して地域の課題を発掘し、解決を考えるなど、実践的な学びを積み重ねています。国際協力の現場でも活用できる貴重な経験です。今後も地域と世界を結び、理論と現場、地域と世界をつなげる実践的な教育を提供していきたいと思います。

『国際協力キャリアガイド2018-19』掲載
2017年のキャリアガイド『静岡県立大学/大学院』はこちら

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