少人数制の講義やゼミは平日の夜間と土曜日に開講。論文指導は指導教員とほぼマンツーマンで、スケジュールも相談しながら柔軟に組むことができる。
大学卒業後は仕事に就き、アカデミックな感覚から遠ざかっていた学生のために、学術研究やフィールド調査の手法、情報処理といった基礎知識を学び直す科目が設けられている点も魅力。
国際協力研究科は今年からカリキュラムを刷新し、2コース制となった。
一つは持続可能な開発目標(SDGs)をキーワードにした「サステイナブル国際協力コース」。地球規模課題、教育、保健医療、防災など幅広い問題に対する理解を深め、その解決を目指す。
もう一つの「国際政治経済・地域研究コース」は、欧州、北米、アジア、アラブ・中東、アフリカなどの地域研究に加え、国際安全保障や難民・移民問題、ビジネス、メディアに関連する科目も充実。
さらに、同じキャンパスで臨床心理学などを学ぶ「人間科学研究科」の科目も履修が可能となっている。
2020年4月からは早稲田大学大学院社会科学研究科と単位互換制度を開始。同研究科修士課程の科目を履修することが可能で、修得した単位は10単位を上限に修了単位に算入される。
学生の年齢層も20代から60代と幅広く、独自の勉強会なども積極的に行われている。
先生に聞きました!
国際協力研究科教授。博士(法学)
今野 茂充先生
専門は国際政治学、国際関係理論、安全保障研究。
担当する「国際関係特論」では、複雑な国際政治の要点をつかむための地図とコンパスに当たる理論や概念、歴史を重点的に学びます。もう一つの「国際安全保障特論」では、安全保障問題に特化した形で国際政治の力学に対する理解を深めていきます。
本学の場合、教員が修士論文の指導に当たる大学院生の数は1〜2名なので距離が近く、一人一人に合わせた細やかな指導ができることが特徴です。六本木という立地を活かして、国際機関や大使館関係者による講演なども開催しています。
社会人の場合、仕事の都合で長期間のフィールドワークを実施することが難しい場合が多いのですが、たとえ現場に行けなくても、集めたデータから分析を行えるような構成にしたり、視点を変えたりといった形で軌道修正をしつつ、修了までしっかりと論文執筆をサポートしていきます。
出願時の審査に通ることが前提ですが、2年間の授業料で4年かけて探究を深められる「長期履修学生制度」も設けており、働きながら大学院で研究するためのサポート体制は整っていると思います。
顔が見える規模なので、学生同士や修了生との交流も盛んです。研究の中間報告会に修了生が参加することも珍しくありません。修了生の紹介で国際協力分野の仕事に就いたケースもあります。実務出身者のネットワークもありますし、本学は、すでに国際協力に携わっている人はもちろん、これから国際協力分野で働きたい人にもおすすめです。
大学院で一つの学問を深く学んでいくと、知識の広がり・深まりとともに理解できることは増えていきますが、その一方で理解できていないことの多さも見えてきます。また、日常のなかでは、どうしても物事を大局的に見ることが難しくなります。大学院でじっくり学問に取り組むことで、世の中の見え方が変わることも魅力ではないでしょうか。
学生さんに聞きました!
株式会社Pont D’or代表取締役社長フィル合同会社代表 青山 美恵子さん
大学時代はベトナムの経済開発について学び、英国への留学で異なる文化、様式や価値観を知るうちに、「もっと世界を知りたい」という気持ちが湧き、たどり着いたのが国際協力という分野でした。帰国後、現場の第一線で活躍される先生方の下で社会人として働きながら通学できる東洋英和女学院大学大学院を選びました。
大学院ではベトナムをフィールドに教育開発について研究。経済、保健衛生、ジェンダー、開発学、国際機関、NGO・NPOなど、国際協力および国際関係について幅広く学びました。多種多様なバックボーンと、高い目的意識を持つ院生からも多くの刺激を受ける毎日でした。
現在は人材紹介業を立ち上げ、企業への人材紹介や外国人受け入れに伴うコンサルティング、通訳・翻訳など、日本企業・外国人双方のサポートを行っています。
大学院で学んだ「物事を俯瞰して捉え、数歩先の未来まで見据えて行動する」思考を大切に、ASEAN諸国と日本の関係や発展に寄与できるよう、さらに努力します。
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