2020年国際協力キャリアガイド:
日本福祉大学大学院

 

学校紹介「日本福祉大学大学院 国際社会開発研究科 国際社会開発専攻 修士課程(通信教育) 福祉社会開発研究科 国際社会開発専攻 博士課程(通信教育)」

 国際社会開発研究科は、国際開発や地域福祉の現場で住民に寄り添って長期的な視点で活動を組み立てて成果につなげられる人や、多角的な視野を持てる人の育成を目指している。
 同研究科の最大の特徴は、インターネット環境があれば世界中どこにいても学べること。科目ごとのWEB掲示板では、テキストに基づく学習に加え、院生同士の経験の共有や現場に根差した実践的な議論が行われる。また、国内外で行われるスクーリングではフィールドワークに重きを置き、日本、フィリピン、インドのうち、2カ国を訪れて課題解決の現場に触れる。開発の第一線で活動する研究者らがこれらのコーディネートに当たる。修士論文についても、1年次から所属リサーチの掲示板で議論を深めつつ、面談による研究指導も重視している。
 在学生は、国際協力機構(JICA)の専門家や青年海外協力隊経験者、国際機関、NGO職員など世界各地の開発現場で活躍する人に加え、医療や福祉、教育、行政といった国内の各分野で働く人など、多様なバックグラウンドを持つ。
 オンライン上でのやり取りやスクーリングを通じて、あるいは対面の場や会合において、現役院生同士、そして国際機関での活動経験を持つ講師陣や修了生とのつながりが生まれることも多い。相互の活動交流、情報交流が良い刺激となるばかりでなく、研究の発展やキャリア開発に結び付くことも少なくない。専門分野・ジェンダー・年齢を超えた豊かなネットワークを通じて受けられる助言は、幅広い世代の社会人が多く所属する同研究科ならではの魅力といえる。

 

先生に聞きました!

国際社会開発研究科 教授
千頭 聡先生

専門は環境計画、持続可能な地域開発など。ラオスをフィールドに焼畑地域での持続可能な開発の道筋を研究。


 当研究科は通信制であるが故に、院生が主体的に学んでいくことが求められます。大学院としては、その学びを支援するためのさまざまな仕組みや場、機会を用意しています。
 その核となるのは、インターネットを活用した教育指導と院生相互の研究交流の仕組みです。
 インターネット上には科目ごとの掲示板が用意され、院生からの疑問・質問に対して、教員がきめ細かく対応しています。
 国際機関の専門家やNGOの現地責任者として、開発現場での実務経験を持ち、豊富な体験に基づく講義や研究指導を行う教員と、国内外の開発現場で活動している院生が参加するこのインターネット掲示板では、多種多様な現場情報について積極的な意見交換や情報共有がなされています。また、教員が培ってきた経験や知識と、院生が現場で抱えるさまざまな課題や問題解決に向けた経なども共有できる場となっております。
 院生はここでの議論を通じて、開発問題に横たわる問題点や地域の独自性・固有性と、普遍的・理論的な知の体系的な枠組みの両方を学ぶことができるのです。
 例えば下記に登場する、ナミビアで青年海外協力隊として活動していた岩塚さんは、インターネットを通じて「国際保健論」を現地で履修。 
「マラリアなどの感染症について体系的に学べたことで、すぐに現場での活動に活かせた」と話しています。
 入学後は、まず研究現場を持ち、 現場にある問題を多面的に分析し、その上でしっかり課題を認識し、確 固たる研究意識と目的を持つように指導しています。その後、論文作成 のための研究指導もインターネットを通じて行っています。
 海外の開発途上地域だけではなく、日本国内の都市部や中山間地域における市民参加型の地域づくりや、市民・事業者・行政の協働に基づくまちづくりに関心のある方の入学も歓迎しています。
 


学生さんに聞きました!

国際社会開発研究科 国際社会開発専攻 修士課程(通信教育)2019年度修了 岩塚 喜拓さん

 大学生の時にオーストラリアで日本語教師のボランティアを体験し、カンボジア旅行で貧困地帯を見てから国際協力に興味を持ちました。卒業後、教員として8年働いた後、青年海外協力隊の現職教員特別参加制度でナミビアへ配属され、管轄内の学校を巡回しながら教員へのアドバイスやワークショップを行いました。
 修士課程は協力隊活動と同時並行の2年間でした。修士論文は、事例をもとに改善点を見いだしていく「事例検討会」をナミビアで実施し、それが教員の指導方法に及ぼす影響についてまとめました。海外にいながら学べたことは、大変有意義なものとなりました。
 学生同士SNSで進捗状況を確認し意見を交換したことで、それまで関わることのなかった人とのつながりもできました。大学院での研究を、今取り組んでいる仕事や活動に活かす姿勢が大切だと皆口々に話していました。
 論文執筆は想像以上に大変ですが、修了を目的とせず、目の前の活動や仕事を大切にしてほしいです。


『国際協力キャリアガイド2020-21』掲載

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