「九州大学大学院 地球社会統合科学府フューチャーアジア創生を先導する統合学際型リーダープログラム(FAP)」
先生に聞きました!
地球社会統合科学府 言語・メディア・コミュニケーションコース(FAPコーディネーター)
松永 典子 教授
アジアの将来を見据えると、少子高齢化や環境問題など日本が先行的に経験してきた課題が多く、国際社会が連携しなければならない問題も山積しています。日本は諸課題の解決に中心的に取り組む役割を期待されており、“アジアの玄関口”福岡にある本学府は、それを担う高度な人材育成に取り組んでいます。FAPの「フューチャーアジア創生」とは、アジアの諸課題を可能性に転換すること。そうした産学官民連携のイノベーションに貢献する「統合学際型リーダー」を輩出することがプログラムの目的です。私自身は青年海外協力隊員としてマレーシアで日本語教育に携わった経験があり、多文化・多様性共存をテーマに研究を続けています。FAPで学ぶ学生には、広い視野と実践力を身に付けて、国内外を問わずグローバル社会で活躍することを期待しています。
学生さんに聞きました!
修士課程2年(地球社会統合科学府 FAP生) 前田 瞳さん
開発途上国に観光が与える影響について、ベトナム中部山岳地帯の少数民族コミュニティーをフィールドに研究しています。もともと焼畑農業などで生計を立てる貧しい地域ですが、伝統の織物文化を生かして外国人観光客の日帰りツアーを受け入れ、現金収入を得ています。日本のNGOが側面支援しているものの、住民の発案に基づく自主的な取り組みであり、「廃れかけていた伝統を再興し、民族の誇りと自信を取り戻した」という声を聞きます。
大学卒業後2年間、旅行代理店で観光を通じた国内の地域おこしなどを手掛けていました。もともと海外に関心があり、観光分野の開発協力を追究しようと、退職してオーストラリアに留学したほか、フィジーのエコツーリズムを見学しました。本学府に進んだのは学際的な環境があり、観光を社会学や文化人類学、環境保全、政策面など多角的に研究できると考えたからです。また、FAPで現地調査の費用が支出されるなど、手厚いサポートが受けられます。
観光開発は人々に雇用や収入をもたらし、伝統文化の継承を後押しするなど地域活性化につながる半面、環境破壊や収入格差といった負の側面にも留意する必要があり、そのバランスを保つことが何より大切です。将来は社会貢献に取り組む民間企業や国際NGOなど、社会的弱者をサポートする仕事に就くのが夢です。
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