「同志社大学大学院 グローバル・スタディーズ研究科」
国際社会の現場で求められる志の高い人材の育成を目的に設立されたグローバル・スタディーズ研究科。在学生の3分の1は留学生で、英語による講義や所属を超えて履修できる科目が充実している。教授陣には政治・社会思想、ジェンダー論など幅広い分野の専門家やメディアの実務経験者などがそろい、客員教授にも国際社会の現場に精通した人材が多い。地域研究とグローバル・イシューを並行して学べるのがカリキュラムの特長のひとつだ。
意欲ある学生へのサポートが充実しており、博士後期課程の授業料は実質無償。学内奨学金やフィールドワーク、インターンシップを補助する制度もある。博士5年間のGRMプログラムの履修生には、研究奨励金として月額で修士15万円、博士20万円が支給される。こうしたバックアップを受けて、学生は地球規模のグローバルな視点で調査・研究に励むことができる。修了生の進路は国際機関や新興国ビジネスに取り組む民間企業のほか、研究者として活躍する道も広がっている。
先生に聞きました!
グローバル・スタディーズ研究科 冨山 一郎 研究科長
世界が直面する複雑な課題に対処するには、分野を超えた複合的な視点が必要です。本学のグローバル・スタディーズ研究科の「グローバル・リソース・マネジメント(GRM)」プログラムは、文理融合の視点に立って多文化共生の諸課題に挑むグローバル・リーダー養成のためのプログラムです。グローバル・スタディーズ研究科と理工学研究科を基幹とし、他の全研究科から入学者を選抜。共通科目として、国際会議の組織と実践、国内外の企業・官公庁・自治体・国際機関などでのインターンシップ、国内外でのオンサイト実習、海外でのフィールドワークを履修するほか、人文・社会科学系の学生が理工学分野を、理工系の学生が人文・社会科学を副専攻として学びます。大学院には答えを急ぐことなく問いを共有し、ともに議論し合いながら成長できる場があります。
学生さんに聞きました!
博士課程3年 高橋 侑里さん
大学3年次に半年間、米国に留学し、世界のさまざまな国の人と出会う機会がありました。特に米国へ移住する移民の多さに驚き、多様な社会や人の生き方について知ろうと、グローバル・スタディーズ研究科に進みました。
大学院では米国で暮らす日系移民の研究を続けています。日本人の米国移住は、1860年代に始まり今も多くの日系人が暮らしていますが、同世代の若い日系人が祖先の歴史や半生を映像で語り継ぐ近年の活動に注目しています。移住の経験を映像化する活動は、制作を通じて自らのルーツを知り、自分たちが何者かを考えるための出発点になっています。大学のフィールド調査費補助制度を活用し、年に数回米国に調査に出掛け、各国からの移民に聞き取り調査を続けています。話を聞かせてもらううちに仲良くなった同世代の移民の友人から「あなたが来てくれたことで、親や祖父母がたどってきた壮絶な経験を聞く機会を得られた。先祖の歴史や自身のルーツを知るきっかけになった」と感謝されたことがあります。過去について知ることが、今を生きる力につながるという実感を得た瞬間でした。
将来は話を聞かせてくれた日系移民の方々のためにも、自分が知り得たことをしっかり言語化し、研究者としてまだまだ知られていない人々の歴史を語り継いでいける存在になりたいです。
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