「大阪女学院大学大学院 21世紀国際共生研究科」
修士・博士両課程で、海外でのインターンシップ、フィールドワークいずれかへの参加が論文提出の要件となっている。フィールド調査では1~数カ月、海外に赴くこともあり、スリランカやベトナム、中国での実績がある。インターンでは、貧困や開発の課題に取り組むNGOなどの一員として、現地スタッフと共に働くことを通して、現場で課題を体感し、問題解決アプローチを考えていく。過去には、休学して国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊に参加する学生もいた。大阪女学院は1884年に創立されたウヰルミナ女学校が前身で、キリスト教の精神が教育の基盤にある。その歴史は平和や人権に焦点をあてる研究科のバックボーンとなり、今に受け継がれている。
先生に聞きました!
国際・英語学部21世紀国際共生研究科 教授 スコット ジョンストン先生
大阪女学院大学大学院では、学生それぞれがやりたいことを支えるため、教員が親身になって多角的に学びや情報を提供しています。学生の関心テーマによっては、指導教員から他の先生を紹介することもあります。学術面の指導では、リサーチクエスチョンを明確にすること、研究調査や分析の方法からアカデミックな論文執筆の作法まで、丁寧に指導しています。学生の興味・関心分野の特徴としては、人権や平和、異文化コミュニケーションなどが多いですね。また、そうした分野を含め国際協力を行っていく際には高度かつ総合的な英語運用力が必要ですので、大学院の全課程をすべて英語で行っています。所属学生の5割以上が、ベトナムやネパール、中国などアジアからの留学生です。留学生も含めて学生の目的はさまざまで、国連などの国際機関やNGOで働くことを目指している人、母国へ帰って政府機関で働くことを考えている人、修了後にビジネスを始める予定の人など幅広いです。
学生さんに聞きました!
博士前期課程2年 チャン トゥエットフォンさん
「女性」や「LGBT」の問題に関心があり、女子大学なら理解を深められると考えました。また、人権や教育について学べる他に、英語で修了できること、留学生にも手厚いサポートがあることに惹かれ大阪女学院大学を選びました。研究テーマは、第2次世界大戦後の「日本人慰安婦」についてです。戦後、日本では進駐軍兵士向けの慰安婦となった女性がいました。戦時中の韓国や台湾出身の慰安婦に関する研究は多くあっても、「日本人慰安婦」の研究はあまりありません。1945 ~ 52年を対象に、どうして女性たちが「慰安婦」になったのか、その理由や背景などを研究しています。日本語の資料を読んで英語でレポートを書くのは大変ですが、どのような本を読むといいか、どのようにレポートを書くか、先生に助けてもらっています。大学では、日本人と外国人の境界はありません。私はベトナム出身ですが、みんなで一緒に学ぶのが楽しいです。研究室で意味のわからない日本語を日本人学生に教えてもらうこともありますし、食堂で同じテーブルに座り、それぞれの国の文化について話すこともあります。将来は日本で、外国人支援あるいは教育の仕事に就きたいと考えています。日本人は英語が苦手という印象でしたが、大学院のみんなは英語運用力がとても高く、私も英語が上達しました。自分の将来に役立つ大学院だと思っています。
(本内容は、取材当時の情報です)
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