「吉備国際大学大学院 連合国際協力研究科」
グにも対応し、海外在住の学生も多い。青年海外協力隊など指定の国際協力の実績を持つ学生には入学金免除の制度もある。
カリキュラムには必修科目として国際協力総論(オムニバス)、選択科目として保健・医療・人口、環境、経済、教育、文化などに関する科目、研究方法を習得するための特別研究から構成されており、幅広い分野の学習が可能。担当教員とメールやウェブ会議システムで密にやりとりしながら在宅学習や研究を進めていく。選択科目に含まれる「地域調査法特論」のスクーリングでは「南あわじ志知キャンパス」(兵庫県南あわじ市)を拠点に地域調査や統計分析の手法を実践的に習得。住民らにインタビューをしながら地域の課題を分析し、分析技術と同時に「現場と研究を結び付ける洞察力」を身に付けていく。修士論文の執筆については、学生個々の専門性や経験、問題意識をもとに設定する研究テーマについて、学生一人に3人の教員が付き、きめ細かいサポートを通して、論文完成に結び付けていく。学生間の交流も活発で同窓会も毎年開催。修了生を含めたネットワークが構築され、異業種交流の貴重な機会となっている。
先生に聞きました!
連合国際協力研究科 特任教授 秋葉 敏夫先生
現在、私が担当している学生は7人。うち6人が青年海外協力隊経験者です。国際協力の現場経験のある人が「これまでやってきたことを学問的に分析したい」「よりステップアップしたい」と考えて入学し、学位取得後、新たな国際協力の場で活躍する人たちも出てきています。もちろん協力隊経験者以外にも、さまざまな経験・経歴、業界の学生が学んでいるのが特徴です。「通信制」ならではのメリットを活かし、海外在住の学生も在籍します。研究テーマは基本的に学生本人の希望を最優先。私たち教員の仕事は、データ収集や分析の手法、論文作成の仕方、発表の仕方など「方法論」を伝えることだと考えています。仕事を持ちながら勉強もするのは大変なことです。情熱を持って学ぶ気持ちのある学生たちが夢を実現できるよう、私たち教員もまた情熱を持ち、臨機応変に状況に合わせながらサポートしていきます。さまざまな業界出身者が共に学ぶ本学。意見交換や交流を通じ、幅広い知識を習得できる学びの場であると自負しています。
学生さんに聞きました!
連合国際協力研究科 修士課程2年 甘利 琢磨さん
高校卒業後、大学でリハビリを学んで作業療法士になりました。国際協力に興味を持ったきっかけは、大学時代にインドを旅行してマザー・テレサの施設でボランティアをしたこと。数日間の体験でしたが「いつか海外で専門資格を活かした仕事をしたい」と思うようになったのです。病院で勤務経験を持った後に、青年海外協力隊に応募してヨルダンに赴任。コミュニティ・ベースド・リハビリテーション(CBR)という、障害者に対する周囲の人の認識を改善するための施設での指導が主な活動内容でした。同時に、協力隊の先輩に誘われて、週末や休暇にはシリア難民障害者へ支援を行うNGOの活動にも参加しました。ここで出会ったNGO職員の方に「今後も国際協力に携わるには修士号が必要だ」と強くアドバイスされたのが進学を志した理由です。本学を選んだのは「働きながら学ぶ体制」が整っていたから。現在は老人ホームで施設長を務めながら修士論文を作成しています。研究テーマはCBRに近い分野で、障害者が自立するための社会変容の方法。「興味のある分野」のみを調べるのではなく、周辺や異なる分野を学ぶ機会も多く、ものの見方が深まりました。国際協力は取っ掛りの手段は豊富でも、続けるうちに求められる技術が次第に高度になり、継続が難しい分野だと感じています。価値ある活動を続けるためにも大学院進学は良いのではないでしょうか。
(本内容は、取材当時の情報です)
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