「東京農業大学/大学院 国際食料情報学部/国際食料農業科学研究科」
先生に聞きました!
国際食料情報学部 国際農業開発学科 准教授 パチャキル バビル先生
国民が勤勉といわれる日本に幼少期から憧れ、インドから日本の高校を経て東京農業大学に入学しました。在学時は、教員と国際熱帯農業研究所(IITA)がナイジェリアで行っていた共同プロジェクトに8カ月間参加したこともあります。本学大学院に進学して博士号を取り、現在は化学肥料や農薬を極力使わず、持続的に育てられる熱帯性農作物の研究をしています。例えばサトウキビと乾燥などの不良環境下でも育つ近縁野生種の交配育種を、国際農林水産業研究センター(JIRCAS)と共同で行ったり、有機質肥料で十分な収量を確保できるゴマの栽培方法の開発に挑んだりしてきました。また、ハリヤナ農業大学(インド)と2017年から協定を結び、本学の学生を短期留学という形で2週間送り出しています(2020年はコロナ禍で中止)。インドや欧米の学生は厳しい競争にさらされています。日本の学生もそうした姿を見て積極的に対話し、知識を常にアップデートしながら、誰にも負けない専門性を磨いてほしいですね。
学生さんに聞きました!
国際食料農業科学研究科 国際農業開発学専攻 修士課程1年 広瀬 航さん
祖父や父が野菜を育てるのを間近で見ていたことに加えて、小学生の時に訪れたフィリピンで貧しい子どもたちに出会ったことから、「農業の力で貧しい人々を救う仕事がしたい」と思っていました。本学の国際食料情報学部に入学後、1年次からパチャキル先生の研究室に所属したところ、ハリヤナ大学への短期留学プログラムがあると知りました。スパイスや豆を多く消費する独特の食文化に興味を持ったこともあって3年次に参加しましたが、インドのベジタリアンの食生活を知るなど、今の研究の参考になっています。本学大学院に進学後、パチャキル先生の指導を受けながら落花生の品種改良の研究に取り組んでいます。落花生をはじめとするマメ科植物は、根に付いている「根粒菌」が土壌の中の窒素を取り込むことで育ちますが、私はこの根粒菌がより多い落花生を生み出すため、遺伝子の解析などを行っているのです。根粒菌が多いほど、窒素を含んだ化学肥料の使用量を減らすことができるので農家の負担が少なくなり、環境汚染の抑止にもつながります。将来はJICA海外協力隊への参加も視野に入れながら、農業系のコンサルティング企業に勤めるのが目標です。研究室には海外志向の人が多いことに加えて、修了生も国際開発関連の最新情報を教えてくれるので、毎日いい刺激を受けています。
(本内容は、取材当時の情報です)
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