「北海道大学大学院 国際広報メディア・観光学院」
本学を学ぶ大学院生とペアを組み、研究の相互支援を通じて交流を深めている。また協定校のバルセロナ大学(スペイン)のサマースクールへの参加や招へい教員による講義を受ける機会もある。
先生に聞きました!
国際広報メディア・観光学院 准教授 岡田 真弓先生
私はもともと中東をメインに文化遺産の保全と活用の在り方について研究しており、この大学院に着任したのは2020年。現在は「観光を通した文化交流と文化遺産の保全」をテーマに授業を行っています。地域創造論演習の授業では、阿寒湖でのフィールドワークを通じ、アイヌ文化と豊かな自然という複数の観光資源を組み合わせた地域発展について考えます。本研究科に着任して感じたのは、「コミュニティ・ベースド・ツーリズム」の考え方をとても大切にしているということ。経済的メリットだけを重視して観光を進めれば、地域は破綻へと向かいます。そうなれば観光資源である自然や文化も保全できなくなることを、教員も学生たちも十分に意識しながら教育・研究にあたっています。学生の出身は文系・理系さまざまで、関心もエコツーリズムやコンテンツツーリズム、ランドスケープデザイン(景観計画)、地域政策など多岐にわたります。「観光学を学ぶのは初めて」という学生も多く、オムニバス形式の初学者向け講義も設けています。
学生さんに聞きました!
国際広報メディア・観光学院修士課程1年 石森 咲穂さん
他大学の英文科で学びましたが、コロナ禍における日本の観光政策に疑問を感じ、大学院に進学して観光について深く学びたいと思うように。観光学を学べる大学院はあまり多くありませんでしたが、その中でも本学は観光資源、文化遺産、観光政策、コンテンツツーリズムなど、先生方の研究領域が非常に幅広いのが魅力でした。外部進学となり不安もありましたが、本学院の先生にメールで相談し研究室訪問をしたところ、親身に研究計画の相談に乗っていただき、安心して入学することができました。実際、本学院の学生はさまざまな大学・学部から集まっているので、外部進学者でもすぐに慣れることができる環境です。研究テーマには、観光政策を選びました。特にコロナ禍で注目された「トラベル・バブル」の政策構造について研究しています。社会人経験者、留学生が多く、同年代では考えられないような多様な視点からの意見を聞くことができ、大変参考になっています。選択科目では学内の他の大学院の授業も受けられるので、非常に幅広い学びができ世界が大きく広がりました。修了後はこれまでに学んだ「英語」「コミュニケーション」「観光」を組み合わせた実務的な仕事に携わりたいと思っています。旅行会社の方とフィールドワークで訪問した北海道鵡川(むかわ)町で、観光開発プランの重要性を実感した経験から、観光地開発にも興味を持ち始めています。
(本内容は、取材当時の情報です)
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