インドネシア|バンダアチェ市緊急復旧・復興支援プロジェクト|国際協力プロジェクト

<技術協力>
パイロットプロジェクトの実施を通したバンダアチェ市の水衛生改善に貢献

 2004年 12月26日に発生したマグニチュード9.3の巨大地震により、アチェ州の州都バンダアチェ市を含めたスマトラ島北部で、平均10m、最大34mの津波が発生した。バンダアチェ市では死亡者 13万人、負傷者 10万人におよんだ。同市の早期復興を目指し、支援プロジェクトを実施した。
 

 また、アチェ州では、30 年にわたる分離独立派の独立アチェ運動が長く続いていたため、紛争からの復興も必要とされた。

 

 支援プロジェクトは、①緊急支援(2005年 1月~2006年3月)、②中期支援(2006 年 4 月~2008年 3月)、③長期支援(2008年4月~2010年 3月)の3段階から構成され、5年間にわたって実施された。

 

 緊急支援では、①当該国が設定した復興ステージの最終年となる2009年を目標とした市の復旧・復興計画の策定、②緊急復旧事業(通称 QIP: Quick Impact Project)の形成・実施および③GIS によるバンダアチェ市復旧・復興情報システム(通称 ARRIS: Aceh Rehabilitation and Reconstruction Information System)の構築を実施した。

 

 計画の策定に際し、本邦技術の紹介と現地での適応方法を含めた災害に強い都市計画を立案した。特にバンダアチェ市においては、災害の影響および残された人々の生活廃水が衛生環境を悪化させていたことから、現状で運営可能な汚水処理場の改修および機材提供からなる水質汚染源の処理をパイロットプロジェクトとして実施し、水衛生問題による二次災害の最小化に貢献した。

 

 上記に加え当社は、シムルー県立病院の再建、住宅建設事業、住民の自立支援プロジェクトにも従事し、多方面からの復興を支援した。

■寄稿:
日本工営株式会社
交通運輸事業本部交通政策事業部
テディ 正典

■コンサルタント
日本工営株式会社
八千代エンジニヤリング株式会社
株式会社パスコ

 

(国際開発ジャーナル2024年9月号掲載)

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