青山学院大学|地球社会共生学部|国際協力が学べる大学・大学院

カリキュラムの柱はアジア留学

 地球社会共生学部(School of Global Studies and Collaboration:GSC)は、2015年に相模原キャンパスに誕生した、青山学院大学10番目の学部だ。GSCが目指すのは、地球社会のさまざまな課題に挑戦し、持続的発展に寄与したいという高い志と共生マインドを持ち、世界の人々と協働できる人材を養成すること。

 GSCは特にアジアを中心的な学びのフィールドと位置付け、タイやマレーシアへの留学を通じた異文化体験をカリキュラムの柱としている。留学の成果を最大化するため、1年次には英語を母国語とする教員による週6コマの授業を行い、徹底的に英語能力の強化を図る。
専門的な学びとしては、グローバル社会の関係性を考え共生の道を探る「コラボレーション領域」、自国と他国の経済や企業の仕組みや違いを理解し、現地の人々と協働し、共に価値を見出すような人材の育成を目指す「経済・ビジネス領域」、知るため、知らせるための技法を学ぶ「メディア/空間情報領域」、それらの学びの基本として社会を知る方法を考える「ソシオロジー領域」という4つの専門領域を用意。学生はこれらの領域を複合的に学ぶことを通して、地球社会の多様性を認識する力を身に付ける。
 

 卒業生の進路は、金融、IT、専門商社、マスコミなどバラエティに富む。プラントメーカーや開発コンサルティング企業などに就職した学生もいる。

わが大学が目指す2030年

堀江 正伸先生(地球社会共生学部教授:国際関係論(特に非伝統的安全保障論)、国際協力、平和構築、人道支援、社会開発、持続可能な開発)

 2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標「SDGs」。GSCの教育研究活動の多くはこのSDGs につながっている。

 例えば、国際協力機構(JICA)の環境や気候変動分野の国際協力において豊富な実務経験を有する升本潔教授の「地球環境と資源」という授業では、持続可能な開発の観点から気候変動などの地球環境問題について深く学ぶことができる。気候変動の問題は科学的な側面のみならず、経済、政治、社会的な側面から考えていくことが不可欠だ。2050年カーボンニュートラルはなぜ必要なのか、本当に実現可能なのか、そのためにはどうしたら良いのか。途上国を含む世界的な視点から考えていく。

アジアの学生と共に学ぶ

 GSCの特徴は、広い範囲の学問を学べることです。国際協力に欠かせない政策的なことから文化人類学やメディア、空間領域など様々な講座があり、(国際協力の)現場で必要な知識が自然と身に付きます。私も授業では理論と共に、世界食糧計画のスタッフとして働いた難民キャンプや災害現場での経験などを共有しています。

 コロナ禍の2年間、学生が行くはずだったタイやマレーシアへの留学はかないませんでしたが、今年は再開する予定です。アジア各地の大学からも留学生がたくさん来る予定なので、英語で受講する科目では、彼らと一緒に学ぶことができます。

使って!この授業・この制度

 GSCの学生は原則として、2年の後期にタイかマレーシアの大学に半年間の留学をする。学部間協定校8校は、チュラーロンコーン大学やマラヤ大学などの一流校ばかり。経済成長の中心ともいえるアジアのエネルギーを学生時代に体感し、理解を深めることで、グローバルな視野と共生マインドが養われていく。学部の留学制度に加えて大学全体の交換留学プログラムもあるので、欧米などへの留学も可能だ。海外の大学院を目指す学生への支援も手厚い。また、留学経験を持つ教員による「海外大学院進学支援室」を設け、セミナー開催や個々の学生のニーズに応じた個別指導なども行っている。

学生(卒業生)の声

在日ネパール人移民の教育を研究

石井 あゆ美さん(地球社会共生学部4年)

 高校時代は国際科でグローバルイシューについて学び、南アジアの女性問題を調査し発表しました。大学では、コロナ禍で留学ができなかった期間に英語で受講する科目をたくさん受け、アジア理解という科目では多くの文献を調べてネパールの女子教育に関する論文をまとめました。

 今、取り組んでいる卒論のテーマは、在日ネパール人移民の教育です。国際教育開発に関心を持ち、個人の学習過程がどのように教育の達成に結び付くのかについて研究しています。

堀江教授の授業風景

 この学部で国内外問わずさまざまなイシューを学べたおかげで、身の回りの問題に気付くことができました。国際的に活躍したいのなら身近な問題から取り組もうと考え、青学の仲間と一緒に無料塾を始めました。大学のシビックエンゲージメントセンターに出した企画書が通って助成金をいただき、公共施設を借りてひとり親世帯などの子どもに勉強を教えています。

 卒業後は開発学が盛んなイギリスの大学院に進み、専門を深めていきたいと思っています。

所属している桑島ゼミの仲間と

学校DATA

・名称:青山学院大学地球社会共生学部
・定員:190人
・学費:大学ホームページをご覧ください
・奨学金制度:日本学生支援機構、地方自治体、民間団体の他、大学独自の奨学金あり
・所在地:〒252-5285 神奈川県相模原市中央区淵野辺5-10-1(相模原キャンパス)
・Tel:042-759-6050
・Mail:info@gsc.aoyama.ac.jp
・取得可能学位:学士(学術)

『国際協力キャリアガイド22-23』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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