★『国際協力キャリアガイド2024-25』は、2024年10月中旬発売予定です★
医学系の強みを生かし地球課題解決を目指す
80年に及ぶ熱帯医学研究とグローバルヘルス研究の実績を持ち、医学、水産、経済など幅広い領域で専門性の高いグローバル人材を輩出する長崎大学。その大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科(TMGH)は世界の健康問題解決に直接貢献する人材の育成を目指す。同研究科博士前期課程には3つのコースが用意され1年制の「熱帯医学コース」は臨床経験のある医師が対象。実務家を育てる「国際健康開発コース」、研究者を育てる「ヘルスイノベーションコース」は2年制で文系出身者も受け入れる。首都圏在住の社会人学生に配慮し、東京の国立国際医療研究センター内にサテライトキャンパスもある。博士後期課程にはグローバルヘルス分野で世界最高峰のロンドン大学衛生・熱帯医学大学院と国際連携専攻を設けており、同校教授の指導を受けて共同学位の取得が可能だ。
プラネタリーヘルス学環は2022年10月新設の研究科。人口爆発やパンデミック、環境汚染など「地球の健康」を脅かすさまざまな人間の活動に向き合い、科学的エビデンスを政策に結び付け、実行できる実務家リーダーを養成する。
全ての講義は英語で、長崎大学の社会学、経済学、工学、環境学、医学、データサイエンスなど広範囲の専門家が領域を超えた研究指導を展開する。
学生の声
国際色豊かな環境で、どんな仕事にも必要な視点を磨く学生生活
Q.なぜ大学院に進んだの?
A.海外での活動を通じ必要性を実感
助産師でJICA海外協力隊員としてパラグアイに赴任。母子の健康を守ることは難しいと実感すると共に、文化背景の違う人と働く楽しさを知り、豪州の大学院で公衆衛生の修士を取得。JICA専門家としてガーナなどでの母子保健業務を通じ、政策の立案・実施を学びたいと考えるように。
Q.この大学院を選んだ理由は?
A.「実践者」としての博士号取得のため
私の目標は研究者であるより実践者であること。博士号取得のための進学先を探す中、まさにこのコースが最適だと思いました。新しいコースでしたが長崎大学にはTMGHの長い歴史と途上国医療の豊富な実績があり、保健分野だけでなく幅広い分野の先生の指導を受けられることも魅力でした。
Q.ゼミ・研究室の雰囲気は?
A.留学中と同じ国際色豊かな環境です!
同級生は4人で出身地はナイジェリア、コンゴ、ベトナム、日本。それぞれ視点が違い常に学びがあります。2年次からはDrPHプログラムが始まり、各自プロジェクトを進めつつ学位取得を目指します。今後どんな仕事に就くとしても必要な素地、視点が得られる貴重な時間を過ごしています。
一医療者の視点ではなく、多角的な視点で社会の課題を解決したい
Q.なぜ大学院に進んだの?
A.海外で課題に直面。解決の視点目指す
約7年間理学療法士として病院で働いた後、JICA海外協力隊員としてマーシャル諸島へ。人口の3割以上が糖尿病にもかかわらず十分に通院・治療しない課題を知りました。課題解決のためには医療者としての目線だけでなく、健康問題を多角的に学ぶ必要があると感じ、進学を決めました。
Q.この大学院を選んだ理由は?
A.「共に問題を解決する」視線が決め手
途上国医療や公衆衛生の豊富な実績があること、「上から助ける」のではなく「共に」の視点が基盤にあることが決め手でした。実際に入学してみて、留学生が多く校内でほぼ日本語は使わない環境、1つの課題に対し多角的な目線で議論を深めることができ、本学に進学してよかったです。
Q.大学・大学院の魅力は?
A.忙しいけれど楽しく充実した毎日
よい意味で非常に忙しく、講義・試験、短期研修でのフィールドワークなどを通じて実践的に鍛えられます。教授、級友たちとの距離が近くストレスのない充実した日々です。私のコースでは長期海外研修が必須。奨学金制度にも助けられました。
学校情報
長崎大学
取得可能な学位:
■大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科:修士(熱帯医学、公衆衛生学、医学科)、博士(グローバルヘルス)
■大学院プラネタリーヘルス学環:博士(公衆衛生学)
定員:
■大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科:博士前期課程37人、博士後期課程10人
■大学院プラネタリーヘルス学環:博士後期課程5人
学費:入学金28万2,000円、授業料(年額)53万5,800円
卒業生就職先(大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科/過去5年)
●国際保健医療専門家
・国際機関、JICA、NGO/NPOなど
・民間企業(開発コンサルティング企業)
●JICA海外協力隊(JOCV)
・研究/教育機関(大学など)
・日本国内の病院/保険医療機関
奨学金情報
卓越大学院プログラム(博士後期の学生対象)、プラネタリーヘルス学環研究奨励金(同学環学生対象)、海外留学費用給付支援、他。詳細は大学HP参照。
『国際協力キャリアガイド23-24』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)