★『国際協力キャリアガイド2024-25』は、2024年10月中旬発売予定です★
多様性ある環境で世界で教える教育者を育成
徳島県鳴門市にある鳴門教育大学は「教師教育のリーダー大学」として人間的魅力ある教師・教育関係者を養成。国際協力機構(JICA)と連携協定を結び、1999年からこれまでに90カ国以上1200人を超える研修生を受け入れてきた。
2019年に誕生したグローバル教育コースでは学生の半分以上が留学生。教員経験者や母国の教育改善を目指す人材などが多数在籍するため「多様性の実体験」を体現できる。
4つの学びの分野があり、例えば「国際教育協力」では同分野での専門家育成を目指し、JICAの技術協力プロジェクトの計画、実施、モニタリング、評価技法などを身に付ける。「日本語教育・日本文化」では日本語や日本文化、教授法などを学び、日本語教師養成プログラム修了証明を取得することが可能だ。「国際理数科教育」では万国共通の事物を扱う数学・理科教育の基礎的な内容理解を深めた上で、世界の子どもたちの科学的態度を育む教材や教授法の開発を行う。
また大学院学生および学部学生を対象とする「グローバル教員養成プログラム」では、海外の教育現場における活動を通じて異文化理解、語学力およびコミュニケーション能力のみならずチャレンジ力や国際的な知見、センスを身に付ける機会も提供している。
学生の声
スポーツと環境問題を掛け合わせ、信頼される小学校教師に
Q.この大学院を選んだ理由は?
A.自然環境に恵まれた地元で学びたくて
私の出身は徳島県。生まれ育った地元が大好きで、いずれは地元で小学校教師になりたいと思っています。自然に恵まれ、さまざまな国から来たたくさんの留学生たちと一緒に学べる環境、海外研修の機会もあることに憧れてこの大学院・専攻(コース)を選びました。
Q.ゼミ・研究室の雰囲気は?
A.国際色豊かな学友と楽しく学び合う
私のゼミはマリの学生2名、ブルキナファソの学生1名、日本人が私を含めて2名名という構成です。留学生は教員経験者の他、現地の教育庁職員や知事相当職など驚くような経歴を持つ人もいます。気さくで親切な人ばかりで、英語を使って彼らに日本語を教えるなど、楽しく交流しています。
Q.研究テーマは?
A.環境教育やグローバル教育
専門は環境教育。プラスティックごみ問題と小学校教育を掛け合わせたいと考え、スポーツとごみ拾いを組み合わせた「スポごみ」の活動に取り組んでいます。ごみが地球環境に与える影響を小学生にどう伝えていくか、海外から漂流するごみから考えるグローバル教育などが私の研究テーマです。
Q.卒業後の進路は?
A.学友との交流を続け地元で教師に
地元・徳島で小学校教員になることを目指しています。理想の教師像は常に元気で子どもたちに信頼される教師。「スポごみ」を通じた環境教育の他、大学院で培ったネットワークを生かし海外の人たちと子どもたちとをつないだ交流や外国語活動などにも取り組んでいきたいと思っています。
Q.大学・大学院の魅力は?
A.3年間で学ぶ「資格取得プログラム」
修士課程2年に加えて1年間学部の授業を受け、未取得の教員免許を取得する「資格取得プログラム(3年制)」は本学の大きな魅力。海外研修などを通じてチャレンジ力や国際的な知見を身に付ける「グローバル教員養成プログラム」もあり、私もシンガポールで小学校訪問などをする予定です。
先生から
全国的にもめずらしい「教科縦断型」の教育
グローバル教育コース(総合コースも)の特徴は教科にとらわれない視点から教育を見る「教科縦断型」。各学生の専門や興味を尊重しマンツーマンでしっかり向き合うこと、学生の視野を広げるために多種多様な考え方を紹介することを大切にします。自ら考えチャレンジする学生は特に大歓迎です。
学校情報
鳴門教育大学
取得可能な学位:修士(教育学)
定員:60人
学費:入学費28万2,000円、授業料53万5,800円(年額。修業年限2年の場合)
※詳細は大学ホームページをご参照ください
卒業生就職先
・学校教員(海外の日本人学校を含む)
・日本語教師
・JICAスタッフ
・JICA海外協力隊
・外務省在外公館スタッフ
・開発コンサルタント
※前身の国際教育コースを含む
留学生について
中国、ネパール、ウズベキスタン、マリ、モザンピーク、エルサルバドル、ニカラグア、フィジーなど世界19カ国(2023年7月30日現在、グローバル教育コースに在籍する留学生。計61人)
『国際協力キャリアガイド23-24』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)