<国際テクノ・センター>
開発途上国のヘルスケアに貢献

少数民族が多いミャンマーの病院で、エンターテイメント形式で保健教育を行う医師(左)とプロジェクトスタッフ

  

 POINT 
 ・保健医療分野のコンサルタント
 ・医療施設の改善やシステム強化も

 

 国際テクノ・センターは保健医療分野を専門とする開発コンサルティング企業だ。この分野で優れた知見を持つスタッフを抱え、主に日本の政府開発援助(ODA)による有償・無償資金協力と技術協力プロジェクトの実施を担っている。1987年の設立以来、約40カ国で120以上のプロジェクトや調査業務を実施してきた。有償・無償資金協力では、開発途上国の病院の整備や地域医療の改善に必要な医療機材のコンサルティング業務を行い、技術協力では「5S(整理・整とん・清掃・清潔・しつけ)‒CQI(カイゼン)‒TQM(統合的品質管理)手法」を用いた医療施設の運営改善、途上国の保健システム強化に関するプロジェクトに取り組んでいる。さらに、保健医療分野のセクタースタディーや実施済み案件のフォローアップなどの業務も実施する。
 阿部一博・代表取締役は「最近は技術協力の案件が、徐々に国際協力機構(JICA)の直営型から民間企業による業務実施型に移っているので、私たちコンサルティング企業が多くの案件を受注できるようになってきた。また、当社を含む特徴ある開発コンサルティング企業の英知を結集し、マルチセクターのプロジェクトを形成しようとしている」とODAの潮流に対応した動きを説明する。民間連携についても「海外展開を模索する中小医療機器メーカーが増えており、そうした要望に応えたい」と話す。採用は理系・文系を問わない。医療資格保持者はもちろん、民間企業経験者も歓迎する。ウェブサイトに採用情報が載っていない時でも対応可能。

 

 企業情報 
設立:1987年
資本金:1000万円
従業員:15人
本社:東京都台東区
事業分野:保健医療

 採用情報 

募集職種:ホームページを参照
募集人数:若干名
募集人材:文系、理系、中途、学士、修士

 

 社員に聞きました! 

 

 
 

吉藤 康太(よしふじ こうた)さん
コンサルタントユニット
(長崎大学大学院国際健康開発研究科修了)
 

<これまでの主な担当プロジェクト>

・ブータンの病院における医療機材整備計画
・ウズベキスタンの医療センター機材整備計画

 
 
 

22歳

大学卒業後、看護師として病院に勤務

 

  看護師時代 

大学で看護師と保健師の資格を取得し、札幌医科大学附属病院で4年ほど働きました。就職後2~3年経って改めて将来を考えた時、「地域医療を学びたい、看護大学の教員になりたい」という思いがありました。教員になるなら大学院進学や英語力も必要ということで、いろいろ調べる中で青年海外協力隊を知り、すぐに応募しました。

27歳

青年海外協力隊としてガーナ派遣

  青年海外協力隊時代 

協力隊の派遣先はガーナです。北海道から出たのは、実はこれが初めてでした。ガーナでは地域の保健局に配属され、保健のデータ管理のほか、村々の保健施設を巡回して業務改善を指導しました。楽しかったのは学校での授業です。仲良くなった看護師さんと毎週日曜日に高校に行き、ファーストエイド(応急処置)クラブの生徒たちに応急処置の仕方を教えました。こうした活動をするうち国際協力への関心が高まり、もっと勉強したいと思うようになりました。

30歳

長崎大学大学院でガーナの学校保健システムを研究

  大学院で再びガーナへ 

お世話になった専門家の方に進路について相談したところ、「公衆衛生学修士を取った方が良い」とアドバイスを受けたため、長崎大学大学院に進みました。研究テーマは「ガーナの学校保健」です。JICAがガーナで実施していた母子保健プロジェクトでインターンシップをさせてもらい、そこで開発コンサルタントという仕事を知って、修了後に当社に入社しました。

32歳

国際テクノ・センターに入社

 

印象深いプロジェクトや業務は?

 入社したのは2016年4月です。これまでにブータン、ウズベキスタンの無償資金協力案件に携わりました。ブータンの案件は3カ所の中核病院に放射線機材などを調達する仕事です。私は協力隊出身で現場が好きなのですが、やはり現場に行くと人々の生活が見えてきます。ブータンでは山肌に沿った道路を通って、すごく遠い病院に行かなければなりません。例えば、地域の病院にCTスキャンがなかったら、患者は首
都の病院まで行かなければならず、その途中で容体が悪化したり命を落とす恐れもあります。どういう医療機材が必要か見極めるためにも、現場を踏むことが重要です。

この仕事を目指す読者へ一言

 この仕事は専門性も必要ですが、幅広く物事を見る視点を持つことも大事です。国際協力の現場にはいろいろな刺激がありますが、その刺激を受け入れて、自分でかみ砕く力も必要ではないかと思います。日本では当たり前のことが、海外では当たり前じゃない。そうしたことを理解する力が協力隊の経験で身に付いたと思います。

 

<Company Data>

(株)国際テクノ・センター
代表者 代表取締役社長 安倍一博
〒111-0056 東京都台東区小島2-18-15 御徒町オオツカビル5階
TEL 03-5820-5450 Email contact@inter-techno.co.jp

 

『国際協力キャリアガイド2017-18』掲載

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