2021年国際協力キャリアガイド:日本工業大学 専門職大学院

 

学校紹介
「日本大学/大学院 生物資源科学部国際地域開発学科/生物資源科学研究科」
日本で唯一、主に中堅・中小企業に焦点を絞り技術経営( MOT=Management ofTechnology)人材育成を目指す日本工業大学大学院技術経営研究科。授業は平日夜と土曜に行われ、働きながら1年間で修士号(技術経営)を取得できる。入学には、原則として大学卒業後5年以上の実務経験(短大・高専卒は7年以上、高校卒は9年以上)が必要だ。技術系企業で働く社会人や経営者、独立行政法人職員など、幅広い業種・年代の学生が在籍することから、在学中に得られる人脈も大きな財産となっている。専攻を構成するのは、技術・イノベーションを活かした経営を行うビジネスリーダーを育成する「中小企業技術経営コース」、プロジェクトやプログラムを創出・設計する人材を育成する「プロジェクトマネジメントコース」、起業や新事業創造ができる人材を育成する「起業・第二創業コース」、幅広い産業のコンサルティングが可能な人材を育成する「中小企業診断コース」の4コース。カリキュラムは「知識・スキル系」をベースに、企業経営を包括的かつ多面的に捉える「経営共通系」、さらに、それぞれのコースの目的に応じた「コース系」の三つに分けられる。グローバル化の高まりを受けて、企業の海外展開に関連した授業も増加。持続可能な開発目標(SDGs)やESG投資の学びを通じ、日本企業の技術を活かして国内外の社会課題解決を目指す人材育成にも力を入れる。1年の後半は一般の修士論文にあたる「特定課題研究」にも取り組む。キャンパスは神保町駅至近の通いやすい立地で、オンライン授業も取り入れる。海外駐在・出張中でも履修が可能な制度の導入も検討中だ。

 

先生に聞きました!

技術経営研究科 専任教授 中村 明先生


私が担当する授業は「プログラム&プロジェクトマネジメント」の基礎・応用、「中小企業プログラム立案ケーススタディ」「社会・企業・技術の先進動向」「社会課題とテクノロジー」という5科目と、経営戦略形成の科目の一部です。私のゼミには、SDGs、ESG、社会課題、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連に関心のある学生が多く集まっています。現在社会の課題は多種多様で、かつ複雑化しています。「モノからコトへ」という世界的トレンドの中、企業に求められるものも、単に「良いモノを作ること」から「社会にとって良いコトを実現すること」へと変化しています。企業経営もまた、利益の拡大だけではなく、財務以外の価値も重視する方向へと向かっているのです。社会が日々変化する中「変化への対応」は生き残るための必須課題。本学が目指すのは社会や技術の動向を的確に読み取り、企業や個人のあるべき姿を考えながら、課題解決や価値創造に取り組む人材の育成です。広く多様な人材のキャリアアップを応援します。


学生さんに聞きました!

ブリタニカ・ジャパン株式会社 2020年度修了 川田 富士美さん

以前は台湾のPC周辺機器メーカーでマーケティングの仕事をしていました。作ったもの、紹介したものが社会で喜ばれるような仕事をしたいと考えたこと、マーケティングだけでなく広くマネジメントの仕事をしたいと考えたことから転職を決意し、転職活動中に知ったのがこの大学院でした。本学最大の魅力は働きながら卒業ができる点。メンター制度があり、経営学初心者でも付いていけるのではと感じました。学校説明会の個別相談で就労状況を細かく伝えて相談し「大丈夫です」と言われたのにも励まされました。1年頑張れば修士が取れ、厚生労働省の教育訓練給付制度が利用できる点も魅力でした。在学中に理想通りの職場に転職できたのも、面接でMOTを学んでいることを伝えた点が大きかったと思います。今の仕事は、学生向けのデジタル教材の制作・販売を行う外資の出版社でのマーケティングマネジメント業務。同時に、大学で学んだことを基礎に、社内のSDGsへの取り組み、働き方改革、子育て女性の働きやすさ推進にも取り組んでいます。将来の目標は起業し、途上国に雇用を生み出すこと。入学前は自分が起業できるなんて考えたこともありませんでしたが、経営の基本やグローバルな基本を学んだことで「自分にもできるのではないか、やりたい」と思えるようになりました。大学で得た素晴らしいネットワークを活かし、実現したいと思っています。
 
(本内容は、取材当時の情報です)

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

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