2021年国際協力キャリアガイド:立命館大学大学院

 

学校紹介
「立命館大学大学院 国際関係研究科」
1992年の創設以来、日本のグローバル人材育成の牽引役として高い評価を受けてきた立命館大学大学院国際関係研究科。2021年から新しいプログラムの提供を始め、国際政治、国際経済・開発、文化・社会・メディアを横断的に学べるより充実した体制を実現した。プログラムは「日本語基準」と「英語基準(GIRP)」に分かれ、それぞれ「クラスター(科目群)」によって構成される。日本語基準プログラムを構成するのは、国際政治や国際法、国際関係史、平和に関する諸課題などを総合的に学ぶ「グローバル・ガバナンス」、国際協力論や経済理論、経済学など政策評価に関わる分野を学び、先進国・途上国の持続可能な成長について追及する「サステイナブル開発」、文化や社会の基礎理論を学びメディア・文化研究を行う「文化・社会・メディア」の三つのクラスター。英語基準プログラムでは、これらに対応する3クラスターに加え、グローバルな視点から日本について多角的に学ぶ「Global Japanese StudiesCluster」が加わる。各クラスター間ではブリッジ履修が認められる他、所属プログラムとは異なる言語での履修にも挑戦できるのが特徴だ。教員は世界中の多様な地域から集まった国際色豊かでマルチリンガルな顔触れ。充実した講義に加え、研究進捗報告会から、論文執筆、進路支援まで、体系的な指導を行っていく。国際開発や国際協力、外交分野への進路を目指す学生に対しては、現場経験を持つ実務家による、理論と実践双方から学ぶ科目も提供する。学生は留学生の割合が高く、日本人はむしろ少数派。常時30を超える国・地域の学生と共に学ぶ「国内留学」の体験が可能となっている。

 
 

先生に聞きました!

国際関係研究科 研究科長 嶋田 晴行先生


本研究科では「Development Strategy」などを担当し、経済成長や不平等、教育の重要性、難民・移民を含む労働力移動など、幅広い分野を扱ってきました。学生に対しては、理論と現実の両方を伝え、そのギャップやそこを掘り下げていく面白さを伝えるようにしています。学生には日本の無償資金協力による人材育成奨学計画(JDS)で、各国の公務員の留学生なども。自国の事例にとらわれがちな学生も多いため、さまざまな理論や他国の事例を伝えながら、自国の事例を振り返ってもらうよう心掛けています。国際開発関係の研究では、できる限り現地へ赴くことが大切で、本学にはそれに対する奨学金もあります。同時に、例えば持続可能な開発目標(SDGs)を見てもわかるように無数の課題が身近にあるものです。まずは自分の興味のあることに目を向け掘り下げていくと、そこに海外とのつながりや国際協力との関連が見えてきます。そこに至るまでの学びやその先の道についても、我々がサポートします。


学生さんに聞きました!

国際関係研究科 修士課程1年 遠藤 あかりさん

< 毎年夏にテレビで流れる『火垂るの墓』を見て、小学生の時に「戦争によって人が亡くなってしまうことをなんとかしたい」と思ったことや、中学校の修学旅行で広島に行き原爆体験の語り部の方と話をした経験から、戦争や紛争について学びたいと考えるようになりました。大学で法学部に進学したのも、私の希望を知っていた高校の先生から「社会全体の根本的な問題を学びたいなら、社会の秩序を形作る“法”を学んではどうか」とアドバイスをもらったのが理由でした。大学では国際法を学び、核兵器廃絶や国内の地方創生に関わるNGOでも活動しました。国際法を学ぶうちに、より平和学への関心が高まり、「大学院で平和学を学びたい」と考えるように。最も自分の興味に合った指導教官の下で学びたいと、さまざまな論文を読み、立命館大学で平和学、憲法学を教える君島東彦先生を知ったことから進学を決めました。研究テーマはコスタリカ憲法。コスタリカの憲法は「軍隊を持たないこと」を定められ、日本国憲法第9条との共通点がよく語られますが、研究は少なく本当にそうなのか博士課程も見据えてしっかりと研究していきたいと思っています。立命館に入って驚いたのは図書館の充実ぶり。蔵書数の多さはもちろん、洋書も多いです。また院生のための施設もあり恵まれた環境です。伝統ある「京都」という街での生活も魅力の一つです。
 
(本内容は、取材当時の情報です)

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

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