東京都市大学/大学院|国際協力が学べる大学・大学院

実践力を持つグローバル人材を育成

 工学教育の理念を求めるが暗いらによって、1929年に創立された東京都市大学。独立自主の想いあふれる若者たちが掲げた建学の精神「公正、自由、自治」のもと、1997年には環境情報学部を設置し、その後も国際都市東京において常に新しい時代の要請にこたえる大学へと進化している。

 近年、SDGsの達成に向けて大学運営を見直すとともに、教育面では入学から卒業までの間にどれだけ能力を高められたかを教育効果の尺度とする「Best Value University」を観点に加え、一人一人の学生と真摯に向き合う教育支援体制を構築している。研究面では未来都市研究機構を設置して、7学部17学科・2研究科8専攻の全研究室が取り組む活動を学外へ発信するなどSDGsへのコミットメントを強化している。

 創設100周年に向けた「アクションプラン2030」でグローバル人材の養成を掲げ、海外留学制度や海外インターンシップ制度が充実。全学部1年生の300名を超える希望者を対象にしたオーストラリア留学プログラム「TAP」では、留学準備教育としてネイティブスピーカー講師による週5日の英語レッスンを導入し、英語力の強化が可能。この他、全学年対象の留学プログラムや「アジア・大洋州5大学連合(AOFUA)」の一員として参加する「サマーキャンプ」や「海外インターンシップ」などグローバル人材へと成長できるチャンスにあふれている。

 国際的な視野とコミュニケーション能力、そして実践的な力を身につけたい人にぜひおすすめしたい。

わが大学が目指す2030年

 自然環境に配慮したエコ・キャンパスとして、1998年に日本の大学で初めて国際環境規格ISO14001の認証を受け、キャンパスライフそのものから環境問題を学ぶ「知の拠点づくり」を進めてきました。2022年4月には、東京都市大学総合研究所内に「サスティナビリティ学連携研究センター」を設置し、持続可能な社会の構築に向けた最先端の研究を推進。具体的な研究内容は、環境調和型社会のための製品・サービス・組織のライフサイクル評価、持続可能な発展のための教育(ESD)、ライフサイクル変革の促進、気候変動の緩和と適応に関する政策などで、本学がリードする環境学や情報学などの研究水準を高めつつ、産学連携を通じた科学技術の発展を目指しています。

研究を実社会に適用するプロジェクト

古川柳蔵先生(環境学部環境経営システム学科教授 環境学。主な研究テーマはライフスタイル変革、バックキャスト、ネイチャーテクノロジーなど)

古川柳蔵先生(環境学部環境経営システム学科教授 環境学。主な研究テーマはライフスタイル変革、バックキャスト、ネイチャーテクノロジーなど)

 危機にある地球の未来のために、現在あたりまえとされている価値観を見直し、新しいライフスタイルへの変革が求められています。私の研究室では、戦前の暮らしの知恵や厳しい地球環境で生き延びてきた生き物から環境負荷の低い技術やシステムを学び、最先端の科学技術と融合させながら、持続可能な社会のためのライフスタイルについて研究しています。研究では、制約を前提としてソリューションを導き出す「バックキャスト手法」を用い、研究成果を実社会へ適用するために、日本の沿岸部や内陸部、そして離島まで企業や自治体と連携して地域主導型のライフスタイル変革プロジェクトを実施しています。人と地球の未来を変えていきたいという気概のある人を待っています。

使って!この授業・この制度

 文部科学省の2021年度「国費外国人留学生の優先配置を行う特別プログラム」に、環境情報学研究科の「地球規模の環境・社会問題の解決に貢献する問題解決型イノベーション人材育成プログラム(GIPS)」 が採択されました。GIPSは、環境情報学を基礎として、問題発見力を高めるための知識や、地域と連携して問題を解決する力を身に付けるグローバルイノベーション人材を育てるプログラムで、入学定員は修士・博士課程合わせて9人。プロジェクトベースドラーニング(PBL)やグローバル科目を含む実践的なカリキュラムのもと、留学生と日本人学生が切磋琢磨しながら学びを深めます。

学生(卒業生)の声

母国の水産資源に新たな価値を

Sovanna Lyさん(環境情報学研究科 博士前期課程1年)

Sovanna Lyさん(環境情報学研究科 博士前期課程1年)

 カンボジアで生まれ育ち、高校を卒業後、タイのタマサート大学に留学して土木工学を学びました。母国カンボジアでは近年、大雨や干ばつが、人々の生活や農林水産業に大きな影響を及ぼしていることもあり、気候変動と人口問題に関心があります。大学卒業後は、サーキュラーエコノミー(循環経済)を専門的に学べるタイの大学院への進学を検討していましたが、カンボジアにとって重要と思われる地球規模の問題解決手法を学べるタマサート大学の協定校である東京都市大学に入ることを決めました。より実践的な教育手法に魅力を感じたからです。

研究室での様子

研究室での様子

 現在、古川先生のもと、以前は利用されていたが、今は利用されていない自然資源を有効利用する「未利用資源の活用」について研究しています。日本は水産業が盛んですが、カンボジアにはまだ利用されていない水産資源があります。それらに付加価値を与え、新価値を創出し、人々の収入向上、社会システム変革につなげるイノベーションシステムの研究がしたいです。将来、カンボジアに戻って国や自治体行政の仕事をしながら、人々の安心・安全で豊かな暮らしに貢献できるようになりたいです。

キャンパス内の盛んな国際交流

キャンパス内の盛んな国際交流

学校データ

・名称:東京都市大学/大学院
・取得可能な学位:学士、修士、博士
・定 員 : 1,650人
・学 費 : 117万6,000~147万6,000円
(初年度、入学金など含む)
・奨学金制度 : 五島育英基金奨学金(給費)などあり
・所在地 :
※〒158-8557 東京都世田谷区玉堤1-28-1(世田谷キャンパス)
※〒158-8586 東京都世田谷区等々力8-9-18(等々力キャンパス)
※〒224-8551 神奈川県横浜市都筑区牛久保西3-3-1(横浜キャンパス)
・Tel :03-5707-0104
・Mail : isdjim@ml.n-fukushi.ac.jp

『国際協力キャリアガイド22-23』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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