国際協力現場での実践力を鍛える
<京都大学>


京都大学大学院 総合生存学館(思修館)


 世界で活躍できるグローバルリーダーの輩出を目的に、2013 年に開設された総合生存学館の特徴は、5年一貫で設計された大学院博士課程のプログラム(2年間で修士号の取得も可能)。講義だけでなく、1〜2年次には〝サービスラーニング〞として国内外でボランティア活動を行う。

 さらに、3〜5年次には提携する国際機関や国際NGOなどで実務を学ぶ〝武者修行〞に加えて、PBR(プロジェクト型研究)に半年以上取り組み、調査や政策立案、プロジェクトの実施、交渉、成果発表などに挑戦する。さらに、そうした経験を理論化することで、自分の研究テーマの課題に対する解決策を生み出しながら実践力を磨く。派遣先の団体や国際機関で生まれた人脈が、修了後の進路につながることも少なくない。

 総合生存学館では「熟議」と「八思(はっし)」と呼ぶユニークな授業がある。熟議とは、リーダーの考え方を学ぶもので、財界や官界、国際機関などの各界をけん引する人々を講師に迎えて講義と議論を行うセミナーだ。一方、八思とは分野を超えて地球規模の課題に取り組む人材の育成を目指すもので、学生は、「医薬・生命」「人文・哲学」など8分野の科目群(八思)から自身の専門以外の分野・科目を履修することになる。こうした広範にわたる実践的な学びを通じて学生の視野を広げながら、グローバルリーダーとしての意識を育てている。

『国際協力キャリアガイド2017-18』掲載
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