大学の国際化最前線|東洋大学 大学院国際学研究科 国際地域学専攻

在学しながらJICA海外協力隊に参加して学位を取得

 

アジア・アフリカの留学生が多数

 文部科学省からスーパーグローバル大学の認定を受けた東洋大学。2018年の大学院再編で、国際地域学専攻は国際学研究科へ帰属した。

 同専攻は「持続的な地域の発展に貢献できる地域開発リーダーの養成」を使命に掲げており、文系・理系の垣根を超えて幅広く実務を知る指導教員がそろっている。学生たちが国内外の研究フィールドを訪れたり、教授陣の人脈を生かしたインターンシップなど現場経験を積んだりする機会も豊富だ。昼夜開講のため、日中は働いて夜に通う社会人学生や、博士号の取得を目指す国際協力機構(JICA)職員なども多い。

 

 国際色豊かな学習環境も魅力だ。「JICAの『開発大学院連携』や『人材育成奨学計画(JDS)』というスキームで、アジア・アフリカ諸国から留学生を受け入れています。なお、学部には米国やオーストラリアからの交換留学生も来ています。私は担当科目の半分を英語で教えていますし、日本人より留学生のほうが多いゼミの学年もあります」と、北脇秀敏教授は語る。「現場を見なければ開発途上国の実態はつかめない」との考えから、日本人学生をバングラデシュや東ティモール、ベトナムなどに連れていくリサーチツアーも行ってきた。コロナ禍で中断していたが、近く復活する予定だ。

 

協力隊活動中も授業や指導を受ける

 

 さらに国際地域学専攻は2016年から、JICA海外協力隊に参加しながら博士前期課程を修了できる独自の制度を始めた。普通は休学して協力隊員となるか、協力隊を終えて帰国後に入学するが、JICAの選考に合格した人が同専攻に入学した場合、休学せずに2年間、協力隊員として活動できる。帰国後3年目に修士論文を提出すれば、修士号を取れる。

 北脇教授は「協力隊活動中もリモート会議システムを利用して授業に参加したり、教員から隊員としての活動の指導を受けたりできます。活動中に相手国で課題を見つけ、実態を知って修士論文に生かせるし、語学力も高められるでしょう」と利点を強調する。すでに十数人がこの制度を利用しており、修了生はコンサルティング企業に就職することが多いという。

 このように現場重視の視点に根差しながら、文理融合のアプローチで国際協力に挑む大学はまだ少ない。「衛生工学・環境・交通といった物理的な視点に、経済・文化などの視点を加えて多角的に突き詰めるのが本専攻の伝統であり、今後も続けていきます。さまざまな分野の教員がそろい、留学生を含めた学生の背景も多彩なので、将来、国際協力を志す人には非常に魅力的ではないでしょうか」(北脇教授)

 

※グローバル化の時代、大学・大学院など高等教育の現場でも国際化が進んでいます。このコーナーでは、アジアをはじめ世界とのさまざまな「知的交流」に向けた取り組みや国際協力を学べる大学を紹介します。情報提供お待ちしています。

 

『国際開発ジャーナル2023年8月号』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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