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コンゴ民主共和国

 

 

 

写真:街路灯も整備され、改修工事が完了したポワ・ルー通り

 

<無償資金協力>
 
  

道路を改良しながら「日本式」配慮を示す

  
 

 

コンゴ民主共和国
キンシャサ氏ポワ・ルー通り補修及び改修計画

コンサルティング:(株)アンジェロセック
施設建設:北野建設(株)           

 

コンゴ民主共和国の首都キンシャサ市は、アフリカ屈指の大都市だが、深刻な交通渋滞という問題を抱えていた。舗装の老朽化と毎年の大雨による損傷で、雨期には通行が困難になるほど道路状態が悪化したためだ。特に、国際空港を擁し人口も稠密なンジリ地区とキンシャサ市の中心部を結ぶ「ポワ・ルー通り」は、沿道に位置する運輸業、製造業のための産業道路(「ポワ・ルー」は大型トラックを意味する)も兼ねていて交通量が多く、優先的な補修が必要だった。

ポワ・ルー通りの維持管理は長年の内戦で放棄されていたが、2009年11月から、全12kmのうち約4kmについて無償資金による補修事業が始動。雨期に備えて車道沿いに排水設備を設ける、バス停用地や歩道を整備するといった対策も行われた。

着工直後、同国のジョゼフ・カビラ大統領から「従来2車線の通りを4車線に拡幅して欲しい」との要請があり、数カ月に及ぶ協議の末、拡幅の箇所は同国が費用を負担し、工事は日本勢が行うことで落ち着いた。

翌年5月から第二次事業として、残りの8kmについても補修・拡幅が進められた。図面にない水道管、石油管、電線などが見つかり、撤去のため工期が遅れるという苦労もあったが、14年6月にポワ・ルー通りは完工。15年2月の竣工式には大統領も出席した。

工事中、同国の担当者が日本式の工程管理を学んだだけでなく、迂回路に車を誘導する、ほこりを抑えるため散水するといった周辺への配慮が高く評価され、日本の「質の高いインフラ」の周知に一役買った。交通渋滞も緩和し始めており、今は通りの名称も、住民アンケートで「コンゴ・日本大通り」に変わっている。

 

『国際開発ジャーナル』2019年1月号掲載

 

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