日本唯一の空港総合コンサルタント
日本空港コンサルタンツ(JAC)は、日本で唯一の空港・航空分野専門の総合コンサルタントだ。
1950年代から70年代の高度経済成長期、航空需要の増加に伴い空港整備や航空分野の高度な業務を専門的に遂行するコンサルタントが求められるように。政府開発援助(ODA)においても海外の空港整備案件が増加。そんな中、「優れた日本の技術を集めて、世界の空を結ぼう」という初代会長の呼び掛けにより誕生したのが同社である。以来、JACは国内に加え、海外の空港新設、海外の空港新設、拡張などに関する調査、計画、設計といった業務を行い、数多くのODA案件を手掛けてきた。
70年代、中南米諸国の空港建設に始まり、その後はアジア、欧州、北アフリカへと活躍の場を拡大。ベトナムのノイバイ国際空港やフィリピンの新ボホール空港、スリランカのコロンボ国際空港の建設や改善事業はJACが近年携わってきたODA案件だ。
同社の強みは、土木や建築、電気、通信などの各技術分野を結集し、空港整備に必要な調査から建設のすべての段階に総合的に対応できる国内唯一の専門コン経験を持つ技術職の中サルタントであるという点にある。社員一人一人が技術力を磨くとともに、チームでクライアントのさまざまなニーズに応える。
今後は「空港の施設整備にとどまることなく、航空輸送をネットワークとして広域交通システムの中で位置付け、総合的な計画を行い、多角的な開発・設計業務を行っていくことが必要と考えています」と代表取締役社長の池上正春さんは語る。また空港関連施設の管理や運営にも積極的に取り組んでいくそうだ。
採用については、新卒採用の他、経験を持つ技術職の中途採用も行っている。
事業分野/採用情報
事業分野:空港に関する調査、計画、設計、施工管理、運営支援など
募集職種:技術系(土木、建築、電気、通信、無線等)計画系(空港計画、経済財務分析・需要予測)その他(海外営業、契約・プロジェクト管理)
募集人数:若干名
わが社の働き方改革
ワークライフバランスの確保に重点
JACは社員のワークライフバランスの確保に注力している。時間外労働の削減やノー残業デーの設定に加え、社員が有給休暇を取得しやすい環境の整備や、特別休暇などと組み合わせた連続休暇取得も推奨している。
同社は新型コロナウイルス感染症拡大前からフレックスタイム勤務制度を設けており、昨年からは社内規程に在宅勤務規程を新たに設けた。部署ごとに出勤当番制を実施し、オンライン会議ツールやクラウドストレージを導入することで、リモートワークを積極的に実施するよう呼び掛けている。在宅勤務制度はコロナの終息後も引き続き運用し、社員の事情に合わせて柔軟に対応していく方針だ。
男女を問わず、育児や看護のための休暇取得や時短勤務も可能としている。こうした取り組みにより、2020年には厚生労働大臣が子育てサポート企業として認定した企業に与えられる「くるみんマーク」を取得した。
PROJECT FOCUS
信頼関係がものをいう
今はフィリピンのセブにあるマクタン・セブ国際空港の新しい誘導路兼非常用滑走路の建設に従事しています。この事業はODAではなく、空港から直接受託した案件。私はアシスタントプロジェクトマネージャーとして、一昨年こちらに来ました。現場には日本人が3人従事する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、昨年3月から約1年、現場の日本人は私一人。あとは日本からのサポートでした。
ローカルスタッフには、以前ボホール島の空港建設からのメンバーもおり、互いに意見を出し合い、皆で良い空港造りに尽力しています。彼らは私の上司が育ててきた人たちなんです。日本の技術を身に付け、管理に対するポリシーもしっかりしているので、意気投合して仕事ができています。
こちらに着任した翌月、お国柄のせいか突然空港のジェネラルマネージャーの誕生会に招待されました。互いの信頼関係を築くには、そうした付き合いも必要かと思います。仕事や苦楽の共有が、より深い信頼関係を生むのではないでしょうか。
社員さんに聞きました
22歳 宅地造成の現場で12年
関東学院大学で建設工学を学びました。卒業後は道路建設会社に就職しましたが、そこで宅地造成の仕事に主に携わったことで、多くの工種を経験しました。10年が過ぎた頃、小規模な仕事が続き、物足りなさを感じていました。
34歳 大きな仕事に魅力を感じた
新入社員時代に仕事でお世話になった方と久しぶりに再会した時、JACが海外で働ける技術者を探しているという話を聞きました。空港という大きな仕事に惹かれ、またその方の薦めもあり、転職を決意しました。
35歳 アラビア語の数字を覚える
初めての赴任地はエジプトの国際空港建設現場です。現場の労働者たちは英語を話さないので、アラビア語の簡単な言葉と数字を覚えました。半ば楽しみつつも、仕事上でのコミュニケーションの大切さを改めて実感しました。
35歳 現場は学びの連続だ
日本と途上国の建設現場の大きな違いは、日本では注文で済ませていたコンクリートなどの材料を、途上国では適した材料探しに始まり、一から自分たちで作るということです。私にはその経験がなかったので、猛勉強しました。
46歳 若い技術者を育てる喜び
空港が完成した時は、やはりうれしいですね。地の若い技術者が。育っていく姿を見るのも楽しみです。海外の仕事にこだわるわけではないですが、現地の人々との交流もまた自分の財産になるような気がしています。
企業情報
設立:1970年
資本金:8億2,000万円
従業員数:130人(2021年8月現在)
本社:東京都中央区
海外拠点:フィリピン(マニラ、ボホール、マクタン・セブ)、ベトナム(ホーチミン、ハノイ)、スリランカ(カトナヤケ)、エジプト(アレキサンドリア)
住所:〒104-0054 東京都中央区勝どき1-13-1 イヌイビル・カチドキ
Tel:03-6221-2370(代表)
Mail:jac-recruit@jacnic. Jp
HP:https://www.jacinc.jp/
『国際協力キャリアガイド21-22』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)