株式会社国際テクノ・センター|国際協力に携わる企業(21-22)

開発途上国のヘルスケア向上に貢献

 国際テクノ・センターは、保健医療専門の開発コンサルティング企業。主に日本の政府開発援助(ODA)案件の実施に携わっている。

 保健医療分野の優れた知見を持つスタッフをそろえ、1987年の設立以来、約70カ国で150以上のプロジェクトや調査業務を実施している。病院や保健センターの整備を行う有償資金協力・無償資金協力案件、あるいは保健システムや医療設備の運営改善を目的とする技術協力プロジェクトに数多く取り組んでいる。さらに保健医療分野のセクタースタディー、実施済み案件のフォローアップなども手掛ける。

 また、近年はこれらの経験を活かして、日本国内でも医療機材整備に関する調査、計画策定などのコンサルティング業務も行っている。

 スタッフは、日本のODA案件のコンサルタントとして政府の開発協力大綱や、外務省、国際協力機構(JICA)のガイドラインに従って仕事を進めるが、同時に日本の海外援助としてふさわしく、かつ相手国のヘルスケアに確実に貢献できる内容を主体的に考えながら日々、業務に取り組んでいる。

 ODAのスキームとしては、同社が従来取り組んできた資金協力や技術協力プロジェクトに加え、近年、民間企業の海外展開を支援するタイプの事業が登場している。同社では、こうした日本の中小医療機器メーカーの要望にも応えていきたいという。

 開発コンサルタントの仕事は、専門性も必要だが、物事を幅広く見る視点を持つことも大事だ。採用は理系・文系は問わない。医療資格保持者はもちろん、民間企業経験者も歓迎する。ホームページに採用情報を掲載してない場合にも対応は可能だ。

事業分野/採用情報

事業分野:保健医療

募集職種:ホームページを参照
募集人数:若干名

わが社の働き方改革

「本当に必要」で「実際に使える」制度

 同社は、「保健医療分野の開発コンサルタントを名乗る以上、私たち自身が心身ともに健康でなければならない」という考えに基づき、ワークライフバランスの充実に取り組んでいる。最近では、子育て・介護世代の社員が中心となって制度を見直し、休暇制度の充実が図られた。他にも、仕事と学業の両立支援など、働く当事者の声を尊重した制度改善を行っている。コロナ禍で開始された在宅勤務制度も、常設制度として導入された。マネジメント層とスタッフ間の距離が近く、風通しが良いことが同社の特徴だ。スタッフは各種制度を気兼ねなく活用している他、より良い制度改善のアイデアがあれば積極的にマネジメント層に提案している。結果として、形だけの無駄な制度はなくなり、必要な福利厚生制度の充実につながっている。

 2018年には「えるぼし」企業認定を受け、「くるみん」認定も近々取得予定だ。

社員さんに聞きました

コンサルタントユニット コンサルタント 吉藤 康太さん

22歳 看護師としてスタート
助産師の母を見て育ち、自分も人助けが性に合っていると感じて、北海道医療大学へ。その頃放映された男性看護師のドラマに触発されて看護師の道を選びました。当時は海外はおろか北海道を出ることさえ頭にありませんでした。

27歳 協力隊でガーナへ
キャリアの選択肢として看護大学の教員を考え始め、大学院進学を検討。院では地域医療を学びたいと思ったのですが、英語力も必要で、いろいろ調べる中で知ったのが青年海外協力隊でした。運よく合格し、ガーナに配属されました。

30歳 本格的に国際協力の道へ
ガーナでは農村部で保健活動に取り組みましたが、自身の知識・経験不足を痛感しました。その悔しさ、現地の人々への申し訳なさから、国際協力の勉強をして、現地でお世話になった方々へ恩返しをと思い大学院へ進学しました。

31歳 実習先でコンサルを知る
長崎大学大学院在学中に、ガーナのJICA保健プロジェクトで長期インターンをさせてもらい、開発コンサルタントを知りました。高い専門性とマネジメント能力を現場で発揮することが求められる仕事に魅力を感じ、志望しました。

37歳 一歩ずつ着実に
入社後は、JICAの無償資金協力を中心にブータン、ウズベキスタン、パキスタンなどの案件を担当し、コンサルとしての経験を積んでいます。6年目の今年は、副業務主任として案件に携わり、新たな一歩を踏み出しています。

PROJECT FOCUS

保健省の担当官は年齢も近く息が合う

丁寧な関わりと信頼関係

 入社後初めて本格的に関わったプロジェクトが、JICAの無償資金協力で行われるブータンの医療機材整備計画です。同国内3カ所の中核病院にCTスキャナなどを整備しようというものです。プロジェクト開始の2016年頃から据付後のアフターケアを重要視し、複数年の保守契約が含まれるようになりました。私たちはその保守契約の履行状況や、現地で問題なく機材が活用されているかなどを確認します。去年からコロナ禍で現地に行けず、Zoomを活用して携帯画面を通して機材の様子をチェックしましたが、やはり深い話はできません。現地に行くと、医師、放射線技師、看護師から事務スタッフまで、担当者から直接話が聞ける。そして、この人、この部署は何が困っているのかを抽出して、開発コンサルタントとして今後どうしていくべきか具体的な提言をすることができるのです。

 保守監理業務は2023年まで続き、年1回現地へ行きます。ブータンの保健省・担当者と、将来も一緒に仕事をしていける信頼関係が築けているのがうれしいですね。

企業情報

設立:1987年
資本金:1,000万円
従業員数:12人(2021年4月1日現在)
本社:東京都台東区
住所:〒111-0056 東京都台東区小島2-18-15 御徒町オオツカビル5階
Tel:03-5820-5450
Mail:contact@inter-techno.co.jp
HP:http://www.inter-techno.co.jp/

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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