株式会社JIN|国際協力に携わる企業(21-22)

関わるすべての人を大切にする会社

 「『人』を大切にする会社をどう実現するかを常に考えてきました」と語るのは、JINの代表取締役の大野康雄氏。「途上国の皆さんの視点に立って、その考え方や文化を尊重し、途上国の方々を中心に考えることのできる会社。クライアントの皆様に満足していただくために、常にクライて社員一人一人が幸せになれるよう、社員のことを常に真剣に思える会社。まだ十分とはいえませんが、『人』を大切にする、そのカタチが見えてきました」と言う。

 2011年に創業した同社は、少人数ながらも、クライアントや途上国の人々に提供する「サービスの質」にこだわり続け、さまざまな分野で存在感を示してきた。最近では、スポーツを軸にした途上国支援という新しい案件にも挑戦している。

 「サービスの質」を高めていくには、社員が高い意識や優れた技術、前向きな視点を持つことが鍵になると考えている。そして何よりも、「人」を大切にするという視点を忘れてはならないのだという。そのために必要だと思えば、費用も時間も惜しまない。例えば、新型コロナウイルス感染症で先行きが見えなかった時も、ポストコロナ社会を見据えて、社員が自由闊達(かったつ)に新しい事業を企画できる機会を設けた。そこでは、ビジネス的な観点だけではなく、困難に直面している人々の現状を正確に、そして真摯(しんし)に考えることができているかどうかも重要視した。

 「自分自身の能力を高めるだけではなく、『人』を大切にすることはどのようなことかを、真剣に語り合える仲間を増やして、さらに強く楽しい会社にしていきたいと考えます」と、大野代表はその言葉に込めた思いを述べている。

事業分野/採用情報

事業分野:農業・農村開発、自然環境保全、保健衛生、栄養改善、平和構築、スポーツと開発、社会配慮、ジェンダー、人材育成、評価分析、中小企業支援など

募集職種:開発コンサルタント(通年)、若手スタッフ(不定期)
募集人数:若干名

わが社の働き方改革

「生涯ここで働きたい」と思える会社に

 働き方を考える上でJINが最も重視しているテーマは、「人を大切にする会社をどう実現していくか」。働き方とは、労働環境だけでなく、会社の在り方そのものであり、その実現を目指すことこそ、社員の充実感につながると考えているからだ。

 例えば、新型コロナウイルス感染症対策に関しては、すべての関係者の安全を第一に考えるという信念に基づいて、全国でも早い時期に全社員をリモートワークに移行させるとともに、途上国の現地スタッフの安全確保も最優先に行った。

 また、同社は「えるぼし」企業として認定を受けているが、認定は目的ではなく、会社づくりの過程の一コマだと考えている。最終的には女性も男性も「生涯ここで働きたい」と思える会社になることを目指して、一人一人の能力開発やキャリア形成も含めて、社員と対話しながら働き方と会社の在り方を考え続けていきたいという。

社員さんに聞きました

事業部 スタッフ 小堺 洋輔さん

23歳 海外との接点を求めて就職
獨協大学で国際関係法を学び英語や海外に関心はありましたが、ビジネスへの興味が主であり、卒業後は海外との接点がありそうな半導体メーカーに入社。2年目から希望する法務関係など、海外とのやりとりに携わっていました。

27歳 国際協力に目覚め協力隊へ
読書が好きで、社会起業家など社会の課題解決に取り組んでいる人たちの著書に出会って、国際協力に興味を持つようになりました。国際協力のイベントに参加して情報を集め、4年で会社を退職し青年海外協力隊に参加しました。

30歳 英国の大学院で農業を学ぶ
協力隊でマラウイに派遣されキノコ栽培で農家の生計向上に取り組みました。栽培は今も現地で続いています。人に喜ばれる国際協力の仕事と、営みとしての農業に魅力を感じ、ニューカッスル大学に進学し持続的農業を学びました。

32歳 入社の決め手は農家目線
協力隊時代にいろいろな国際協力の仕事に接して、現場で関われる開発コンサルタントに魅力を感じていました。現地で当社を知る方に薦められ、ホームページでも農家目線の考え方をする会社だと感じて入社を決めました。

34歳 ソフト分野で専門性を
農業の中でも高度な専門性と経験が要求される栽培技術分野で活躍するのは難しいと自覚しており、競争は厳しくなりますが、普及や組織づくりなど、農業に付随する分野で勝負できる開発コンサルタントを目指しています。

PROJECT FOCUS

現地に寄り添った丁寧な視察を心掛けている

国づくりという大きな案件

 2011年に独立した新しい国、南スーダンで、国際協力機構(JICA)の農業による国づくりプロジェクトの業務調整をやっています。プロジェクト全体の管理と、パイロットプロジェクトの副担当が主な業務です。入社してすぐ担当した仕事は、協力隊時代と違って、現地政府の政策・計画策定、行財政管理、法律、平和構築など、国の根本に関わる分野ばかりでしたので、全体像をつかむのに苦労しました。

 パイロットプロジェクトは、苗木生産施設の建設と苗木生産・施設運営を通じて、計画、予算配分など州政府職員の能力向上を図るものです。今はコロナ禍のためリモートでの作業が続いていますが、遠隔では、建築工事の進捗管理が難しかったり、州政府側の要求に対する対応や調整に時間がかかったりと四苦八苦しています。しかし、毎日顔を合わせられない状況でも、工夫をしながらコミュニケーションを取り、辛抱強く信頼関係を築いていくことで、自分自身が両国の“懸け橋” となるような仕事をしていきたいです。

企業情報

設立:2011年
資本金:1,500万円
従業員数:21人(2021年8月現在)
本社:埼玉県さいたま市
住所:〒330-0844 埼玉県さいたま市大宮区下町2-18 TS-3BLD.2階
Tel:048-650-0400
Mail:jin_recruitment@jincorp.JP
HP:https://www.jincorp.jp/

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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