デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社|国際協力に携わる企業(21-22)

ビジネスの知見を活用して課題解決に挑む

 デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社(DTFA)は、国際的なビジネスプロフェッショナルネットワークであるデロイトの一員で、日本におけるM&Aや危機対応を含めた企業の経営・海外展開・インフラ投資に関する財務やビジネスについてのアドバイザリーを専門としている。

 こうした業務に軸足を置きつつ、2015年に誕生した国際開発事業の専門部署「国際開発アドバイザリー」では、ビジネスを通じた国際開発を支援している。例えば、大型インフラ整備の際に、相手国政府に官民連携(PPP)手法の導入やファイナンス面の助言を行うといったインフラ運営の仕組みづくりから、途上国の起業家支援など人への支援まで、幅広い分野でのアドバイザリーに携わる。

 また、政府開発援助(ODA)を活用して、日本企業のノウハウと資金を途上国へ動員する際のサポートも行う。このように民間企業との連携や専門性・ビジネスの知見を活かして途上国の課題解決や開発に貢献することを目指しており、日本でナンバーワンの国際開発アドバイザリーファームとなることを最終的な目標と定めている。

 開発事業に民間活力を取り込む役割を担う国際開発アドバイザリーチームでは、ODAの枠にとらわれず、柔軟な思考で途上国の発展の道筋を描ける人材を、国籍を問わず求めている。

 国際開発アドバイザリーを統括するリードパートナーの辻本令氏は「国際開発アドバイザリーは、人づくりや国づくりにも関わる非常にチャレンジングでインパクトの大きなビジネスです。私たちの仲間として一緒に挑戦してくれる人をお待ちしています」と新たな人材に期待を寄せる。

事業分野/採用情報

事業分野:民間セクター、都市開発、防災、インフラ、資源・エネルギー、水と衛生、環境・気候変動、ガバナンス・法制度、文化・スポーツ、教育、保健・医療、貧困削減、農業・農村開発

募集職種:国際開発、インフラなどのアドバイザリー業務
募集人数:若干名

わが社の働き方改革

働き方でもInclusionを実現

 世界各国のさまざまなバックグラウンドを持つ社員が在籍するDTFAでは、Diversity&Inclusionを掲げ、それぞれの社員が、個性・キャリア志向・ライフステージに合わせた働き方ができるよう、支援制度、勤務体系を整えている。

 在宅勤務制度、裁量労働制、半日休暇、フレックスタイム制度、再雇用制度などで柔軟な働き方を支え、産前産後休暇、育児休業、看護/介護休暇はもちろん、社内保育園、ベビーシッター費用補助、時差出勤、時短勤務などで育児・介護に携わる社員を応援している。

 なお、DTFAが所属するデロイトトーマツグループは、グループ全体で女性管理職登用の強化や、女性の採用・昇級・定着の強化、執行部の多様性の強化に取り組んでおり、DTFAも同様に女性の活躍を促進してきた。こうした取り組みが評価され、DTFAは2018年に「えるぼし(2段階目)」認定企業となっている。

社員さんに聞きました

国際開発 アドバイザリー ヴァイス プレジデント サムエル アルテレスクさん

21歳 日本でのインターンが契機
国際関係の仕事をしたいという漠然とした考えは持っていましたが、大学時代に一橋大学に交換留学して国際協力機構(JICA)のインターンをしたことがきっかけで国際協力に興味を持ち、卒業後の進路として選びました。

24歳 開発コンサルタントに
フランスの大学院を卒業後、NGOで1年間活動してから個人コンサルタントとしてシエラレオネのJICAのプロジェクトに関わりました。そのプロジェクトを通じたご縁で開発コンサルティング企業の面接を受けました。

24歳 プロとしての在り方を学ぶ
この業界で安定して経験を積み専門性を身に付け、開発のプロフェッショナルとしての在り方を学ぶ場としてお世話になってみようと、面接を受けた開発コンサルティング企業に入社。農業や地方行政の仕事を担当しました。

28歳 仕事の幅を広げたいと転職
当時在籍していた開発コンサルティング企業は農業やインフラなどの技術系が中心。もう少し仕事の幅を広げたいと考え、当社に転職しました。日本のODAだけでなく国際機関や民間のプロジェクトにも携われるところも魅力でした。

33歳 気候ファイナンスを推進
入社以来気候ファイナンスの仕事を多く手掛けています。この分野をもっと掘り下げていきたいですね。途上国の気候ファイナンスへのアクセスを改善したいですし、民間セクターの脱炭素の具体策も考えていきたいと思っています。

PROJECT FOCUS

ワーキンググループでの協議

パレスチナ政府と共に

 気候変動の課題を解決するアクションに ファイナンスを付ける、これが私の専門である気候ファイナンスの仕事です。現在パレスチナ政府と共に、緑の気候基金(GCF。途上国の気候変動対策を支援する国際的な基金)を活用した気候変動対策プロジェクトに取り組んでいます。

 資金の対象となる個別のプロジェクトの発掘・形成からGCFへの申請まで当社で担当するもので、今年4月にGCFから資金の提供を受けることができました。パレスチナ政府が今後自力でファイナンスにアクセスしていけるように、政府の能力向上は欠かせないので、そのニーズ調査を行うとともに、気候変動に関するパレスチナのデータプラットフォームの作成に取り掛かっています。

 気候変動に関しては最近まで、二酸化炭素排出量を抑制しようという「緩和」が主流だったのですが、今後は「適応」へのファイナンスも求められていくはずです。その流れに民間セクターがどう関わっていくかを注視していきたいですね。

企業情報

設立:2001年6月
資本金:3億円(2020年5月現在)
従業員数:1,052人(2020年5月末日現在)
本社:東京都千代田区
海外拠点:150以上の国と地域にグループのネットワークを有する
住所:〒100-8363 東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビルディング
Tel:03-6213-1180
Mail:DTFA.koho@tohmatsu.co.jp
HP:http://www.deloitte.com/jp/dtfa

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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