株式会社パデコ|国際協力に携わる企業(21-22)

総合的なサービスで国際開発業界を牽引

 パデコは、アジア開発銀行の技術協力(TA)契約額が、世界でも上位クラスにランクされる“日本発の国際コンサルティング企業” だ。設立当初は運輸・交通、教育、環境などの分野での計画策定といったソフト部門からスタートしたが、約10年前からはインフラ整備などハード部門にも事業領域を拡大。国際協力機構(JICA)や現地政府などを主なクライアントに、地下鉄や港湾整備といった大規模プロジェクトで実績を残している。その一例が、インド最大の商業都市ムンバイでの大型円借款案件「ムンバイメトロ3号線建設事業」。国際コンサルティング企業4社連合を形成して参画している。今後はブランド力を活かし、民間企業の案件にも積極的に取り組んでいく。

 また、2021年には、オルテガ・ホルヘ・アルベルト監督が率いる神奈川県のサッカーチーム「Esperanza S.C.」とスポンサー契約を締結。自分たちが持つキャパシティーで社会貢献をするアプローチ、困難にチャレンジしていく姿勢、フロンティアスピリットに共感し、パートナーとして共に活動していく予定だ。

 パデコの仕事を支えているのは、さまざまなバックグラウンドと専門性を持つ国際色豊かなスタッフ。そのため、多種多様な国籍や経歴、専門性を持つ人材の採用に努めている。求めているのは、同社のコアバリュー「多くの人の未来のためのPAn DEvelopment COnsultants」「いかなるボーダーも超える」「多様性を尊重する」に基づき、自ら学び行動する人。コンサルタントとスタッフがチームとなってプロジェクトマネジメントを行うため、プロとしての自覚を持ち、多様性を尊重して業務にあたる姿勢も欠かせない。

事業分野/採用情報

事業分野:インフラ(道路、港湾、鉄道、人工衛星)、ガバナンス・法制度、平和構築、教育、資源・エネルギー、水と衛生、環境・気候変動、民間セクター、都市開発、ICT、地域開発、ジェンダー、貧困削減

募集職種:インフラ開発、道路開発、鉄道分野の開発コンサルタント、アソシエートコンサルタント
募集人数:若干名

わが社の働き方改革

性別関係なく多様性を尊重した職場

 働き方改革や持続可能な開発目標(SDGs)が叫ばれる以前から、同社では当たり前のように女性が活躍してきた。現在、管理職の4割以上を女性が占めている。女性は産休・育休を100%取得しており、10年前からは男性も育児休暇を取得するようになった。男女平等の価値観が浸透しているというよりも、そもそも性別に関係なく、お互いを尊重していく会社なのだ。

 また、ワークライフバランスを重視し、常勤雇用に加え、在宅雇用や案件ベースの短期契約を前提とした制度も用意し、多様な人材が参画できる仕組みをつくっている。どこでも仕事ができる環境や体制を比較的整えつつあったため、コロナ禍においてもリモートワークにスムーズに移行することができた。ただ雑談が減ったという声もある。雑談から生まれるイマジネーションも多いので、対面とオンラインをハイブリッド化した勤務体制を検討しているところだ。

社員さんに聞きました

経済/社会開発部 シニアコンサルタント 汪 夏如さん

22歳 シリアで紛争に関心を持つ
中東に関心があり、早稲田大学時代に旅行でシリアに約2週間滞在。その直後に紛争が勃発したことから“自分ごと” として感じたものの、当時は紛争解決の世界に飛び込むのはハードルが高いと考え、そのまま日本のメーカーに就職。

25歳 ビジネスコンサルに転職
社会課題の解決に向けたスキルを身に付けたいと考えるようになり問題解決を得意としているビジネスコンサルタントに興味が湧いて転職。東日本大震災からの復興に向けた産業振興の調査など、さまざまなプロジェクトを担当。

30歳 英国の大学院留学へ
震災復興というパブリックな事業に触れた経験から、類似する業務を海外でやりたいと考え始め、国際協力業界の存在に気付きました。院卒の方が選択肢が増えると考え、ロンドンの大学院で国際開発の理論を学びました。

31歳 念願の開発コンサルに
JICAのキャリアセミナーに参加したりしてソフト系の開発コンサルティング企業を少しずつ調べていた時、キャリア情報サイト「PARTNER」でパデコがビジネス系のバックグラウンドを持つ人材を探していることを知り、入社。

33歳 VRで新規事業を目指す
デジタルトランスフォーメション(DX)の重要性も高まっているので、仕事の傍ら学校に通い、バーチャルリアリティー(VR)を勉強中。VRを活用した研修やキャリアカウンセリングなど、新規事業に活かせないか検討しています。

PROJECT FOCUS

ヨルダンの首都アンマン

ビジネス目線で課題に挑む

 現在担当しているのは、ヨルダンでのJICAの情報収集確認調査。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて今後ヨルダンとして注力していくべき産業を絞り、その上でJICAとしてどういう支援ができるかを調査しています。

 コロナ禍の影響により延期になっていた渡航が無事実現し、現地でヒアリングを実施しています。

 また、バングラデシュでどういう金融サービスを提供したら貧困層の脆弱(ぜいじゃく)性が低減されるかという金融包摂の案件や、始まったばかりですが中南米地域のビジネスのスタートアップ支援といった案件にも携わっています。前職のビジネスコンサルタントの仕事とはスピード感やプロセスの違いなどのカルチャーショックもありましたが、自分がやりたいと思っていた経済開発、産業振興、雇用創出といった分野に携われていてやりがいがあります。今後は、自分の専門性を極めつつ、バーチャルリアリティーを活用した新規事業の立ち上げも考えていきたいです。

企業情報

設立:1983年
資本金:1億円
従業員数:134人(2021年3月現在)
本社:東京都港区
海外拠点:地域オフィス/ジャカルタ、ハノイ、ブカレスト、トビリシ、ムンバイ、ダッカ 現地法人/インド
住所:〒105-0004 東京都港区新橋6-17-19
Tel:03-5733-0855
Mail:admin@padeco.co.jp
HP:https://www.padeco.co.jp/

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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