八千代エンジニヤリング 株式会社|国際協力に携わる企業(21-22)

上流から下流まで対応できる総合力を誇る

 創業以来60年近い歴史を持つ八千代エンジニヤリングは、総合建設・開発コンサルタントとして、社会インフラ整備を中心に、より良い社会の実現に向けて国内外で実績を重ねてきた。

 海外ではこれまでに140カ国以上で開発コンサルティングを行っており、現在もインドネシア、ミャンマー、ベトナム、韓国、インド、ナイジェリア、ブラジルの7カ所の在外事務所を拠点としてプロジェクトを実施している。これらの業務を担当するのが事業統括本部海外事業部に所属する約150人の開発コンサルタントだ。

 プロジェクトの上流から下流まで対応できる総合力が同社の強み。開発計画の立案、事業化に向けた調査・計画・設計から、技術指導、施工監理、プロジェクトマネジメントまで、プロジェクトのすべての段階に対応し、高度な技術サービスを提供している。

 手掛ける分野は水資源、防災、上下水道、廃棄物、環境、運輸・交通、建築、エネルギー、放送、通信、都市・地域開発など。

 これらに加えてIT分野の技術開発を行う他、国内外で民間ビジネスコンサルティングを強化するなど、活躍の場を広げている。

 代表取締役社長の出水重光氏は「海外事業に携わると、日本の常識が通用しない国や地域で働くことになる。思い通りにいかないこともあるが、現地に適した仕事の流儀を見つけてその国に貢献しようという意志が成功につながる」と、国際協力を目指す人に、現地のベストを考えようというメッセージを送る。

 海外の仕事の面白さは、ゼロから築き上げていけるダイナミックさにある。同社は、これからも熱意ある人材が活躍できる場を提供していく。

事業分野/採用情報

事業分野:インフラ、資源・エネルギー、防災、ICT、都市開発、水と衛生、環境・気候変動、平和構築、民間セクター、貧困削減

募集職種:技術系総合職、事務系総合職、経験者採用
募集人数:技術系総合職数名、事務系総合職数名 経験者随時募集 

わが社の働き方改革

共同保育所を開設し社員の子育てを応援

 八千代エンジニヤリングは、かねて社員の健康維持・向上に取り組んでおり2017年より5年連続で経済産業省から「健康経営優良法人」の認定を受けている。

 また、10~15をコアタイムとしたフレックスタイム制度活用の推進やノー残業デーの徹底を図り、有給休暇取得指定日を設定して連続休暇取得を推奨。さらに男女問わず育児休業の利用を推奨する他、他の開発コンサルティング企業2社と共同で企業内保育所「かけはし保育園」を開設し、社員の子育てを応援している。他にも要介護・要支援認定を受けた親族を持つ社員が希望する拠点に勤務できる制度を導入するなど、ワークライフバランス全般にも配慮してきた。同社は、社会課題の解決を通じて社会に貢献していくためには、時代の変化に応じた働き方が必要であるとし、多様な人材を活用する人事制度を導入した。その一例が一般職制度の廃止だ。今後も働きやすい環境の構築に取り組んでいくという。

社員さんに聞きました

事業統括本部 海外事業部 シニアコンサルタント 池田 陽介さん

22歳 欧州、アフリカを歩く
旅行が好きで愛媛大学時代に休学してヨーロッパからモロッコへ。また別の機会にマリに行き、現地の人と一緒に岩塩を運ぶ船に乗り込みニジェール川を旅しました。多くの人と出会い、食べ物を分けてもらうなどお世話になりました。

23~33歳 いつかはマリの恩返しを
理化学機器の専門商社、電子機器部品メーカーを経てフリーランスの技術者に。マリでお世話になったお礼として、新興国の人たちにいつか恩返しをしたいと考えていたので、30歳を過ぎたのを機に青年海外協力隊に応募しました。

33歳 アフリカでなくトンガへ
村落開発普及員としてトンガ・ババウ島の環境省に派遣され、3Rの啓発活動をしたり、無電化地域の離島の家庭に太陽光発電システムを設置するプロジェクトをサポートしたり、ここで開発コンサルタントという仕事を知りました。

35歳 “太鼓判” をもらい入社
2年の任期を終了するにあたり、当社に入社していたトンガ隊員の先輩がいたことを思い出し、就職の相談をすると「いい会社だ」と薦められました。地元に帰る選択肢もあったのですが、内部の人の太鼓判をもらえたので入社を決意。

43歳 医療分野にもやりがい発見
入社後は主に大洋州や中南米の防災機材案件に携わってきましたが、先日、医療機材案件に関わる機会を得ました。医療は助けを求めている人により近いところで支援ができるので、今までとは違うやりがいを感じています。

PROJECT FOCUS

トンガとのコンサルタント契約締結時の様子

コンサルタントとして里帰り

 2018年にトンガに早期警報システムを導入し、防災通信能力を強化するプロジェクトの調査に参加しました。トンガはサイクロンや地震、津波などの災害の影響を受けやすいのですが、警報や災害情報を住民に伝達するための機材・システムが老朽化・不足していたため、日本の無償資金協力でそれらの整備が計画されました。

 このプロジェクトで私は調達計画・積算の業務を担当しました。土日も現地のホテルにこもってパソコンの画面に向かい黙々と調査結果を整理し、報告書をまとめるという地味でつらい作業も多い業務でしたが、協力隊として活動した国に「里帰り」ができたと素直にうれしかったのと同時に、協力隊時代には大して貢献できてなかったのではという後悔があったので、少しは恩返しができたかなと感じました。

 われながら、業務は比較的淡々とやる方なのですが、プロジェクトが進んでだんだん形が見えてきた時、調査なら報告書が少しずつまとまってきた時には、ゼロから1になった!という達成感がありますね。

企業情報

設立:1963年
資本金:4億5,000万円
従業員数:1,159人(2020年7月1日現在)
本社:東京都台東区
海外拠点:インドネシア、ミャンマー、ベトナム、韓国、インド、ナイジェリア、ブラジル
住所:〒111-8648 東京都台東区浅草橋5-20-8 CSタワー
Tel:03-5822-2900(代)
Mail:info@yachiyo-eng.co.jp
HP:https://www.yachiyo-eng.co.jp/

『国際協力キャリアガイド21-22』掲載

(本内容は、取材当時の情報です)

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