★『国際協力キャリアガイド2024-25』は、2024年10月中旬発売予定です★
開発×福祉の現場を支える通信制
2023年、学園創立70周年を迎えた日本福祉大学。開学以来、福祉を軸とした教育研究と社会貢献事業の発展に努めてきた。
開発途上国の社会開発の課題に対し確かな方法論と論理性を持って取り組む専門職業人の育成を目指す国際社会開発研究科は、国際開発と日本の福祉の双方の課題がつながる融合的な研究と教育を進めてきた。
開発現場で働く社会人にとって学びやすい「通信制」で、「海外開発実践」の単位認定制度や国際スクーリングも充実し、実践的な開発の手法やケーススタディをじっくり学べる。各国で活躍する院生はインターネットを介してつながり、理論と実践を往還しつつ現場で求められる多様な専門性を養っている。修了生の人的ネットワークの豊かさも特徴だ。
また、博士課程で構成される福祉社会開発研究科国際社会開発専攻は社会開発・開発教育の専門家を育成できる高度研究者・指導的専門家を養成。通信制の特質を生かし、世界各地に住む第一線の開発実践者に理論的考察の場を提供している。
海外在住の院生も多く在籍する中で、どこからでも時差を気にせず取り組める本学独自の掲示板を利用した授業を中心に、適宜双方向のオンライン形式を活用して、自己を相対化する姿勢、超領域な問題意識、現実的な判断力などを育んでいる。
学生の声
誰もが教育を受けられる世界を願って
Q.なぜ大学院に進んだの?
A.隊員活動との両立が可能
大阪の中学校で10年ほど社会科を教えていましたが、子どもの頃から関心のあった世界の貧困や教育に携わりたくて、JICA海外協力隊に参加し2021年にマラウイの小学校へ赴任しました。現場での活動を俯瞰的に捉える学びを深めたくて、協力隊参加と同時に大学院に入りました。
Q.この大学院を選んだ理由は?
A.3年で修士号が取れる長期履修制度
海外で働きながら修士号を取得できる大学院は本大学院以外にあまりなく、教育分野についてより深く学べそうだと思い本大学院に入学しました。海外で働きながら学ぶ人や社会人に向けた制度が充実していて、長期履修制度を通じて3年間かけてマイペースで学べる点が決め手になりました。
Q.大学院の魅力は?
A.自分のペースで学びやすい
隊員活動と勉強の両立は大変ですが、掲示板に書き込む形式で夜間などにじっくり研究に取り組むことができます。開発途上国と開発に関する基礎教育科目をはじめ実践的な研究方法論を学べます。「障害と開発」の授業を機にマラウイの医療や福祉の制度に関心を持ち自主的に調べました。
Q.研究テーマは?
A.生徒の主体的な学びを後押し
研究テーマは「マラウイの教育の課題と子どもたちの主体的な学び」。赴任先の農村の学校を含めアフリカでは教員による一方的な授業が多く、より主体的に学ぶにはどうすればいいか、手作りの教材を使うなど、さまざまな方法で試行錯誤した隊員活動の経験を踏まえて、論文を執筆しています。
Q.修了後の進路は?
A.広い視野で世界を見つめてほしい
マラウイでは、日本の子どもたちとつながる機会を設けましたが、日本の子どもたちにアフリカの多様な側面を伝え、広い視野で世界を見る大切さを伝えたい。大学時代にタイの貧しい子どもたちに会ったのがきっかけで教員になったので、これからも日本や世界の教育に携わり続けたいです。
先生から
国際開発を「じぶんごと」と捉え実践できる人材を育てる
過疎・高齢化や在住外国人の増加など日本社会を取り巻く現状を踏まえ、海外の開発現場だけでなく、国内外の福祉や教育などの分野で活躍できる人材の育成を目指しています。海外派遣や育児などを考慮した3年間の長期履修プログラムをはじめ、一人一人の事情に応じた修了までの道筋をサポートします。
学校情報
日本福祉大学大学院
取得可能な学位:修士(開発学)、博士(開発学)
定員:71万140円(初年度、入学金など含む)
在学生の業種・職種 在学生の割合
*引用先:https:// www.n-fukushi.ac.jp/gs/divisions/pamphlets/isd. html
世界各地で活躍する多職種の院生
国連や国際NGOなど世界各地の開発現場で活躍する人や国内外の医療・福祉、教育分野で働く人など多様な学生が在籍している。
『国際協力キャリアガイド23-24』掲載
(本内容は、取材当時の情報です)