PROJECT FOCUS
トーゴ

<無償資金協力>
 
  

水産業振興のために新漁港を建設

  
 

 

トーゴ
ロメ漁港整備計画

コンサルティング:水産エンジニアリング(株)
 施設建設:東亜建設工業(株)        

 

 アフリカ西部のギニア湾に面するトーゴでは、首都のロメ漁港が同国の海洋漁業の唯一の拠点であるが、2010年の年間漁獲量は約2万5,000トンに達している。日本政府は西アフリカ圏の貿易・物流促進を支援するため、2012年から技術協力「トーゴ ロジスティクス回廊開発・整備計画策定調査」を行い、拠点となるロメ商港の拡張と国際基準に則った保安管理の強化を促進してきたが、その結果、逆に隣接するロメ漁港は非常に手狭となり、同国のニャシンベ大統領は全面移転を行うとの方針を明らかにした。しかし資金不足で実現できず、漁民は既存の漁港を使い続けざるを得ず、混雑して水揚げや出港準備の効率が悪化し、漁船同士の接触事故も増えていた。
 この状況を改善するため、同国政府は日本政府に協力を要請し、ロメ漁港を近接地へ移転させる本計画を策定した。このプロジェクトでは、防波堤や水揚岸壁、休憩岸壁等に加え、荷さばき場や卸売場、製氷施設、トイレなどを含めた管理事務所棟を建設し、漁港に必要な機材を供与した。漁港の運営、維持管理などの研修も行っている。
 新漁港の19年4月の竣工式にはニャシンベ大統領らも参列し、新しい施設の船出を祝った。漁民は広くなった新漁港で効率よく、安全に作業を行うことができるようになり、今後はロメ市民を中心として80万人を超える国民に、新鮮な魚介類を供給できるようになると予想されている。現在は零細漁船のみの利用だが、将来は大型漁船も停泊させる計画である。

『国際開発ジャーナル』2019年7月号掲載

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