PROJECT FOCUS パプアニューギニア

<無償資金協力>

地域の産業と生活を支える橋梁の更新


 

パプアニューギニア
ニューブリテン国道橋梁架け替え計画

 

コンサルティング:㈱長大      
㈱アンジェロセック
施設建設:㈱大日本土木   

 

 パプアニューギニアの道路網は未開通部分が多いため、主要都市間でも分断されている場合がある。雨季の豪雨による地すべりや河川氾濫で道路や橋梁の閉鎖が頻発し、経済活動や住民生活に多大な影響を及ぼす。同国島嶼部最大の島、ニューブリテン島においても状況は他と変わらない。西ニューブリテン州は、世界第6位の生産量を誇る同国のパーム油の約7割を生産しているが、その大部分は小規模農家が担っている。10,000 以上の農家がニューブリテン国道などを利用して、パーム油加工場に自家栽培したオイルパームを持ち込むことで生計を立てている。この国道が通行できなくなることは地域の人々にとって死活問題である。しかし、ニューブリテ ン国道上に存在する橋梁のうち、1980年代前半に日本の民間企業が木材搬出のために建設したアウム橋とカピウラ橋は、全体的な老朽化や車両の衝突などによる部材の破損に伴い、通行する車両の荷重に耐えられなくなっていた。このため、アウム橋は通行止め、カピウラ橋は通行車両の重量制限を行い、オイルパーム輸送も含めた健全な物流を妨げていた。実際には、カピウラ橋もアウム橋の代替橋も落橋の危険性が懸念される状況であった。今回の計画は、日本の資金と技術でこの2橋を架け替え、同国道の通行の安全性と利便性を確保したものである。2019 年6 月の竣工式には、両国から中嶋敏駐PNG大使、サシンドラン・ムトゥベル公営企業大臣などの要人や工事関係者が多数参加し、地元の人々も1,500人が詰めかけた。メディアの取材も多かったという。新しい橋梁には、経済の発展や地元住民の生活の向上に向けて、大きな期待が寄せられている。

 
『国際開発ジャーナル』2019年9月号掲載

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