<日本テクノ>
開発途上国の水問題に挑む

高架水槽/セネガル

  

 POINT 
 ・40カ国以上で給水事業を実施
 ・アフリカで多くの実績
 ・社会開発やプロジェクト評価も

 

 日本テクノは1976年の設立以来、政府開発援助(ODA)を通じて開発途上国の地方給水、衛生改善に取り組んできた。同社が関わった給水事業の対象国はアフリカ、中近東、アジア、中南米など50カ国以上にわたる。中でもセネガルやガンビア、ザンビア、イエメン、パキスタンなどでは、日本による給水分野の支援が始まった当初から一貫して事業に参画しており、高いプレゼンスと信頼を得ている。
 同社は2015年に、国内上下水道分野でトップクラスの実績を持つ日本水工設計株式会社のグループ企業となった。これをきっかけに、近年では給水事業に加え、上下水道分野の事業にもより積極的に取り組んでいる。途上国の水に関わる事業は、地方部で小規模かつ比較的シンプルな給水施設を整備する援助から、都市部で大規模かつ、より複雑で高度な水道施設を整備する援助へとシフトしている。東南アジアでは、早くから上下水道施設の建設が首都から地方都市へと展開された一方、アフリカでは近年、同様の動きが広がりつつある。水、衛生、環境分野のノウハウを持つ同社の活躍の場は一層広がっている。社員に求める資質は、相手の話をよく聞き、理解して行動できること、文化や環境の変化に対応できること、好奇心と探求心を持ち、意欲的に業務に取り組めること。通年採用のため、随時応募を受け付けている。同社では、環境社会配慮や財務分析などに関わる業務も多いため、技術系だけでなく文系の人にも海外で活躍できる機会がたくさん用意されている。

 

 企業情報 
設立:1976年
資本金:8600万円
従業員:40人
本社:東京都中央区
事業分野:水資源開発/造水、都市水道/地方給水、環境/再生可能エネルギー/廃棄物、下水道/衛生、社会開発、プロジェクト評価など
海外拠点:ダカール(セネガル)、ルサカ(ザンビア)

 採用情報 

募集職種:テクニカル・スタッフ(エンジニアリング系専門職、社会科学系専門職)
募集人数:若干名
募集人材:文系、理系、新卒、中途、学士、修士

 

 社員に聞きました! 

 

 
 

松原 逸郎(まつばら いつろう)さん
執行役員 管理本部 技術管理部 部長
(日本大学工学部土木工学科卒業)
 

<これまでの主な担当プロジェクト>

・パキスタン・ファイサラバード上下水道・排水マスタープランプロジェクト
・ギニア・首都飲料水供給改善計画フォローアップ協力
・パプアニューギニア・ポートモレスビー下水道管理能力向上プロジェクト

 
 

23歳

大学卒業後、中堅ゼネコンに就職

 

  ゼネコン時代 

大学卒業後に就職したゼネコンでは、工事現場の施工管理をしていました。最初は関西で宅地開発や道路工事、下水道工事に携わりました。6年後に東京に異動してからは、需要の多かった下水道の業務が主体となり、都市部において「推進工事」や「シールド工事」の土木工事に関わりました。

34歳

日本水工設計に転職

 

  日本水工設計時代 

設計業務を大別すると計画・設計と実施設計に分けられますが、私は下水道の実施設計にずっと従事してきました。下水処理場やポンプ場などの構造物を担当する部署で建設に関わった下水処理場は、青森から静岡までの10カ所以上。ポンプ場も同じぐらいの数を手掛けました。その後、下水管渠の実施設計の部署の配属となりました。

60歳

日本テクノに転籍

61歳

海外での初仕事でパキスタン赴任

 

  現在 

2015年に日本水工設計のグループ会社になった日本テクノに転籍しました。最初の仕事は、作業時間管理や原価管理、品質管理、社内に向けた技術情報の発信など。翌年からはODA案件に関わるようになりました。ODAでは地方給水の案件が減ってきているのに対し、上下水道の案件は伸びています。日本テクノには下水道の技術者が少なかったので、下水道の実務経験のある私がODA案件に参加し、現場にも行くようになりました。

 

印象深いプロジェクトや業務は?

海外での初仕事は、パキスタンのファイサラバード市という町で実施したODA案件です。ここでは1日6時間しか給水されておらず、現在、24時間給水を目指して上下水道のマスタープラン作りを進めています。インフラ整備の優先順位は道路、電気、ガスの順であり、上下水道が整備されるのは比較的最後の段階です。ファイサラバード市内の川はすごく汚れており、悪臭もします。そんな場所で子どもたちが遊ん
でいるのを見ると、下水処理が可能な施設の整備が急務だと感じます。

この仕事を目指す読者へ一言

日本ではインフラ施設はすでに整備されているため、現在の注力分野は建設よりも維持管理業務です。そのため、国内ではモノづくりに関わらない若手技術者が増えています。私のようにモノづくりを長く経験してきた技術者は、インフラ整備が遅れている途上国に活躍の場が多くあると感じています。言葉の壁はあっても、努力すれば時間とともに解決できるので、挑戦してみてほしいと思います。

 

<Company Data>

日本テクノ(株)
代表者 代表取締役社長 金井重夫 代表取締役副社長 髙松章二
〒104-0054 東京都中央区勝どき3-12-1 フォアフロントタワー7階
TEL 03-6703-0510 Email jat-tyo@jat.co.jp

 

『国際協力キャリアガイド2017-18』掲載

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