貿易促進(左上):サービス貿易の促進に関する論文発行
投資促進(左下):ハイレベル政策対話(カンボジア)
観光促進(右上):アグリ・ツーリズム研修(於:青森県、田んぼアート視察)
人物交流促進(右下):日ASEAN 女性起業家リンケージプログラム(於:マレーシア)
代表者:事務総長 藤田正孝
住所:〒105-0004 東京都港区新橋6-17-19 新御成門ビル1階(都営三田線御成門駅A4出口すぐ)
開館時間:9:30~17:30(土・日・祝日閉館)
Tel:03-5402-8118(広報)
FAX:03-5402-8003
Mail:toiawase_ga@asean.or.jp
日本アセアンセンターは、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国政府と日本国政府との協定によって1981年に設立された国際機関だ。日本とASEAN諸国間の「貿易」「投資」「観光」という3分野における経済促進と「人物交流」の促進を主な目的として活動している。藤田正孝事務総長に、センターの取り組みについて聞いた。
藤田正孝事務総長
ペンシルべニア州立大修士課程、早稲田大学博士課程単位取得満期退学。1984年国連の経済社会局勤務。1993年にUNCTADへ異動。2015年9月より現職
藤田事務総長が行ってきた事業改革についてお聞かせください。
日本アセアンセンターとは「貿易」「投資」「観光」「人物交流」の4つの分野の事業で日本とASEAN諸国との関係を深めていく、促進センターです。私が2015年に事務総長に着任してから、いかに時代に即した形で効率的にこの4分野をプロモーションできるか、そして実際にどのような成果が出ているのかという点に着目しながら改革を進めています。
以前は直接的にASEAN諸国から日本に商品を輸入したい人やASEAN諸国に企業進出したい人のような個人や企業などを対象に活動することもありましたが、当センターのステークホルダーに当たるのは国であり、国民です。貿易、投資、観光の分野での環境や制度の整備をすれば、間接的に多くの人々が恩恵を享受できるという考えに基づき受益者の裨益を念頭に活動するのが国際機関としての役割だと思っています。
例えば、ASEAN地域における貿易の自由化に関して、財については域内の関税撤廃がすでに達成されていますが、
サービスは貿易の中でも課題が残る分野です。他方、サービスは国によって独自性があり多岐にわたる種類があるの
で、サービスの良さが製造品の良さや国全体の経済成長につながるほど重要なものでもあります。このようなサービ
ス貿易の振興を図る事業にも取り組んでいます。
また、ASEAN諸国における貿易に関しては、自社工場を持たずに海外に委託してつくらせる、契約ベースの取引が現在普及しています。契約ベースとはいえ、きちんと国や企業が対応しなければならない。その制度や枠組みの整備を提唱する事業も実施しています。
センターの取り組みとSDGsの関連性を教えてください。
私たちの事業ではSDGsの中核的要素である環境、社会、経済の分野における持続可能性を重視しています。例えば観光分野では、高齢者や障がい者などに配慮した「アクセシブル・ツーリズム」や農業を活用した「アグリツーリズム」に関する研修など、持続可能な観光を目指す事業を行っています。観光資源に恵まれた地域の人々がそれを活かし、地域社会全体が潤うというのが望ましいのですが、最近ではお金が現地ではなく別の大きな資本に流れてしまうこともあります。観光は現地に落ちる収入をいかに増やすかが大事です。また、観光はさまざまな分野とリンクしているので観光が活発になると、産業全体が活性化されます。併せて観光資源をいかに守っていくかも大事になります。
海外で働きたい人に向けて、期待することはありますか?
今はVRなどでなんでも疑似体験ができる時代です。でも、実際に海外に行って経験を積むことは疑似体験とは感触がまったく違います。ASEAN諸国は近いので実際に行ってみてください。ぜひ海外に出て可能性を広げてください。国際化の重要性がうたわれていますが、自分の右にも左にも外国人がいて、それが普通になり、あえて国際化をしようと意識しなくなるときが、国際化が実現したときです。 当センターが実施するセミナーやイベントは誰でも無料で参加できるほか、センターには資料コーナーもあります。ぜひセンターでASEAN諸国に触れ、親しみ、理解を深めてください。
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