青山学院大学地球社会共生学部(GSC)は、共生マインドを持ち、地球規模の課題に向き合い、より良い地球社会の創出に貢献できるような学生の養成を目指している。そのために、GSCは、社会科学系の四つの専門領域(コラボレーション領域=国際協力、国際開発など、経済・ビジネス領域、メディア・空間情報領域、ソシオロジー領域)を設けている。学生は各領域を専門的に学ぶだけでなく、興味や目指す進路に応じて自分の関心に沿った形でカリキュラムを組み学際的に学ぶことができる。
効果的な学びを実現するために、英語教育、学部留学、専門性習得という三つの柱を設けており、これらの過程を通じて、学生たちは、主体性、積極性、協調性、そしてリーダーシップも身に付けていく。1年次に基礎科目の学習と並行して英語力を磨き、2年次に協定校へ半年間留学する。そして留学で得た知識、知的な発見や問題意識を、帰国後ゼミや専門科目の履修によって深めていく。1年次に学ぶ英語は、留学に備えたものになる。専門の授業を理解し、レポートを執筆し、クラスでの議論をこなせるレベルを目標としている。入学後10レベルにクラス分けが行われ、学生は週6コマの授業を通じて、英語力を磨いていく。提携校はタイとマレーシアの8大学。成長するアジアのエネルギーを体感してグローバルな視野と共生マインドが養われていく。卒業後の進路は、商社、青年海外協力隊、旅行・観光業、航空会社、金融など。先輩たちは多彩な分野で国際感覚と共生マインドを活かして活躍している。
先生に聞きました!
地球社会共生学部 教授
熊谷 奈緒子先生
国際関係学、国際機構論、国際紛争解決論などが専門。
当学部は、社会科学全般についての「専門知」と「実践知」の両方の訓練を提供しています。さらに、当学部の教育の三つの柱の一つである英語教育は、「書く」「読む」「話す」「議論する」というスキルのすべてにおいて実践重視のコミュニケーションツールとしての力が身に付くように組み立てられています。そして、留学を通じて、地球規模の問題の解決・共生のために必要な異文化理解の力を身に付けます。留学先は、当学部の協定校であるチュラロンコン大学などタイの5大学とマラヤ大学などマレーシアの3大学です。当学部の学生は、英語で行われている社会科学系の授業を、現地の学生と共に履修します。
帰国後は、留学で学んできたものをより深めるために、専門科目や演習に取り組みます。また、当学部は、現地で磨いてきた英語力を維持・向上させるために、「PracticalEnglish Workshop」というクラスや、さらに、将来グローバルなキャリアや大学院を目指す学生のために「グローバルスキル」という講座も設けています。
私は1年次に履修する「国際政治学」と、2年次以降に学ぶ専門領域「コラボレーション」に属する「アジアの政治と文化」という二つの科目を担当しています。それに加えて、学部共通の、日本文化を英語で学ぶ「Japan Studies Program」の一科目である「Traditional Artand Culture in Modern Japan」というオムニバス形式の授業のコーディネーターを務めています。
このように、当学部は、日本についての知識の教育も重視しています。意欲のある方であれば、誰でも自分の関心に沿った学びを存分に行い、必要なスキルを伸ばせるアリーナが提供されています。今は漠然としていても、いろんな国を見てみたい、地球規模の問題に関心がある、世界の人々と協力してより良い社会を実現したいという方に、ぜひチャレンジしていただきたいですね。
学生さんに聞きました!
人間福祉研究科 2年(取材当時) 藤本 実希さん
小学生から中学生にかけて4年ほどバンコクで暮らし、タイの社会の格差や貧困を感じていました。帰国後それを日本の友だちに話しても関心を持ってもらえず、なんとかしなくてはと使命感を感じるように。学部が掲げていた「共生マインド」に共感したことと、アカデミックな要素だけでない学びができそうだと感じて地球社会共生学部を選びました。入学後、その「読み」は間違ってなかったなと感じています。
タイのマヒドン大学のリベラルアーツ学部に留学しました。1年次の英語の授業は大変でしたが、おかげで、留学先では英語で困ることはあまりありませんでした。
来年1年間休学して、マヒドン大学でインターンをしながら、留学中に手掛けたフィールドワークやボランティアをもう少し深めてみたいと思っています。今はエシカルな分野に興味があるので、卒業後はCSRなどでエシカルなプロジェクトを推進する企業などで、ビジネスを通して国際協力に携われたらと思っています。
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