「関西学院大学/大学院 学部副専攻「国連・外交プログラム」大学院副専攻「国連・外交コース」」
関西学院大学は、キリスト教の宣教師で医師でもあったウォルター・ラッセル・ランバスによって1889年に設立された。「Mastery forService(奉仕のための練達)」というスクールモットーを掲げ、ランバスの精神を受け継いだ広い視野で他者に寄り添う「世界市民」を育てている。
2017年4月からスタートした大学院「国連・外交コース」は、国連や国際機関職員、外交官として活躍する人材養成に特化した副専攻プログラム。学生は、主専攻の研究科(修士または専門職)で専門分野を研究しながら、このコースで2年間学ぶ。授業はすべて英語で行われ、明石康・元国連事務次長をはじめ世界で活躍してきた実務経験豊富な教授陣が指導を行う。
国連の採用基準に基づいて体系的に編成されたカリキュラムもコースの大きな特徴だ。実務を通じた実践力を磨くため、国連や国際NGO、政府系機関などでのインターンシップ(約2カ月)が必修となっている。
コース履修を検討している人を対象に、キャリア設計をサポートする個別のキャリア・カウンセリングも実施。国連で働くには2年以上の実務経験が必要となるため、修了後も長期的なキャリア支援を受けることができる。外務省と連携する「国際機関人事センター」、国連機関と連携する「国連グローバルコンパクト支援関学センター」が、これらのサポートを担う。国連・国際機関へのエントリーからミッドキャリアまで、長期的に支援していく。
なお、学部生向けに「国連・外交プログラム」も用意されており、大学院「国連・外交コース」まで一貫して学べる環境が整っている。
先生に聞きました!
総合政策学部 教授 (国連・外交関連プログラム室長)
村田 俊一先生
国際開発行政論
ここ数年、日本でも注目されている持続可能な開発目標(SDGs)の達成には、国連機関や各国政府だけでなく、地方自治体、民間企業、NGO/NPOとの協働を図る“マルチステークホルダー・プロセス”が不可欠です。国連・外交コースでも、学生に同プロセスを理解してもらうことを重視し、国際協力のプロジェクトについて、資金調達や管理、民間連携など、より実践に近い学びを取り入れています。
さらにキャリア支援においてもマルチステークホルダーとなるSDGsを推進する企業や団体にまず就職をしてから国連機関に挑んでもらうといった戦略を取っています。
本コースは原則として司法研究科を除くどの研究科の学生でも受講でき、授業はすべて英語で行われます。専攻の異なる学生同士が共に学ぶことで多様な視点が養えています。加えて、欧米やアジア、アフリカなど幅広い地域の国々から留学生が参加しており、まるで「ミニ国連」です。こうした環境に刺激を受けているのは日本人だけでなく、留学生も同じようで、米国からの留学生ケヴィンさん(経営戦略研究科修士2年)は、本コースについて「世界のあるべき姿を考えることも重要だが、それを実現させるための現実的な学びが国連・外交コースにはあり、国連などの場で、即戦力になるように鍛えられていると感じる」「他国で、さまざまな価値観を持つ人々と共に生きるために必要な視野の広さを手に入れられる」と語っています。
さらに学生からの要望や学生を派遣しているインターンシップ先からの最新情報を取り入れて、常に学びのアップデートを図っているのも魅力の一つです。例えば、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう今、「開発政策や政治がコロナ禍でどういった影響を受けるか」という視点を盛り込んだ講義を行っています。最新の知識を吸収しながら、これからの国際貢献を先導したい人には、最適な環境だと思います。
学生さんに聞きました!
総合政策研究科 修士2年(取材当時) 岡崎 凛さん
大学を卒業後、証券会社で働いていた時に「ESG投資」について知りました。これは投資先となる企業の環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の3要素に関する取り組みを重視した投資なのですが、日本での認知度は低く、それを広める方法を探りたいと考え、大学院に進学しました。
国連・外交コースを選んだのは、学部生の時より国際機関への就職を考えていたこともありましたが、入学希望者向けセミナーに参加した時に村田先生と出会い、「ぜひ指導を受けたい」と思ったためです。現在は環境に配慮した事業の資金調達を目的とした「グリーンボンド」や、ネパールでのマイクロファイナンス普及について研究しています。昨年、国連人口基金(UNFPA)東京事務所でのインターンシップも経験しました。
初めのうちは留学生との討論に十分付いていけませんでしたが、今は慣れ語学力も鍛えられました。培った投融資の知見を活かし、将来は国連機関で働きたいです。
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