2020年国際協力キャリアガイド:
吉備国際大学大学院

 

学校紹介「吉備国際大学大学院 連合国際協力研究科」

  2006年、主に社会人の専門教育を行うために吉備国際大学大学院連合国際協力研究科は開設された。人間中心の開発の観点から、国際社会における多様な課題に対して、自らの専門性をもとに、柔軟に対応できる知識・能力を有する人材の育成を目的としている。
2009年度からは九州保健福祉大学との連合大学院となり、これまで看護、社会福祉、環境、社会開発、保健医療など、さまざまな専門分野をバックグラウンドとする社会人や学卒者を幅広く受け入れてきている。
国際協力分野では、専門知識や技術だけでなく、異文化社会で活動できる精神的な強靭さと豊かな人間性を併せ持つ人材が求められる。
そのため同研究科では、公設国際貢献大学校との連携により国内でのインターンシップの機会を提供し、現場での課題に柔軟、迅速に対応できる実践的な修士課程教育を実施している。
修了には「共通必修」「共通選択」「総合科目」の3種類の科目から合計30単位を修得する必要がある。学生は、担当教員とメールやテレビ会議システムで密にやり取りしながら在宅学習や研究を進めていく。作成した課題は、ウェブ経由で提出することも可能だ。
学費面では、国際協力経験者の入学金を免除する制度があり、国際協力機構(JICA)海外協力隊の経験者、認定特定非営利活動法人AMDA(岡山市)の推薦状がある人、自衛隊で国際協力活動に従事したことを証明できる人らが対象となっている。
国際協力に携わりたい人はもちろん、教育分野やソーシャルビジネスで活躍したい人にもおすすめだ。

 

先生に聞きました!

連合国際協力研究科 研究科長/教授
末吉 秀二先生

人類生態学を専門とし、1997 年からヨルダン農村部で人口動態や出生力に関する調査を行っている。


本学では必修や総合科目の他に、感染症、保健、人口、環境、開発経済、開発教育などの14科目を選択科目として設置しており、幅広い分野を学ぶことが可能です(そのなかから最低5科目以上を選択履修)。
通信制による制約を補うため、東京会場にて、夏期・冬期に各3日間の対面授業(主に研究指導)を実施しています。また、兵庫県南あわじ市にあるキャンパスで実施している、「地域調査法特論」では、フィールド調査の基礎を修得できます。ユニークな取り組みとして、岡山県新見市にある公設国際貢献大学校と連携したインターンシッププログラムがあります。同大学校が行う災害救援活動の講座に参加し、関連団体との連携・調整など、現場で必要とな
るスキルを習得します。
なお、今年度からマイクロソフトのTeamsを活用し、リモートでの研究指導にも力を入れています。
社会人の専門教育を目標としているため、学生の年齢層は20歳~60歳代と幅広くなっています。商社やメーカーなどの一般企業をはじめ、看護師などの医療関係者の他、小・中・高校の教員を含む公務員、JICA職員や、自衛隊など、さまざまな分野で現場経験、実務経験を積まれた方々が在籍しており、特に最近ではJICA海外協力隊経験者の入学が多くなっています。
学生間の交流も活発に行われており、毎年同窓会も開催され、修了生も含めたネットワークが構築されています。本研究科での学びが、社会人学生にとっては異業種交流の貴重な機会となっています。
実務経験が豊富な学生たちではありますが、まずは自身の経験を客観的に評価し、見極めることのできる研究者としての視点を持ってほしいと思います。そうすることで初めて自己を成長させ、さらに国際協力で力を発揮し、各職場におけるキャリアアップにつなげることができると思います。そのためのサポートが本研究科の役割です。

 


学生さんに聞きました!

連合国際協力研究科 修士2年(取材当時) 中村 彩さん

青年海外協力隊でウガンダに行き、そこでPCインストラクターとして支援活動を行いました。そこからアフリカにおけるICTを導入した教育現場について興味を持つようになり、現在「ウガンダにおける教育分野でのICT活用可能性」をテーマとして研究しています。
大学では主指導の先生を中心に、副指導、アドバイザーの3人の担当教員が付き、的確な研究助言など細やかにサポートしてくれます。定期的にあるスクーリングでは、各専門分野の先生が集まり、自分の研究発表に対しあらゆる角度からコメントをくださいます。
またカリキュラムも専門性が高くて工夫があり、特に選択科目では、兵庫県南あわじ市のキャンパスで地域調査手法を実践的に学ぶ機会もあり、楽しみながら学びを得ることができました。
さまざまなバックグラウンドを持つ学生仲間と横のつながりができ、先生や仲間との出会いが研究分野を超えて自分自身の視野を広げてくれます。


『国際協力キャリアガイド2020-21』掲載

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