2020年国際協力キャリアガイド:
早稲田大学大学院

 

学校紹介「早稲田大学大学院 アジア太平洋研究科(GSAPS)」

 カリキュラムは「地域研究」「国際関係」「国際協力・政策研究」の3領域。学生は一つの領域を軸に研究を深めながら、3領域を横断するプログラムの提供も受け、多角的な視野で地域課題の解決につながる資質を身に付ける。日本語・英語のバイリンガル教育も特徴的で、主要な科目は、例えば春学期には日本語、秋学期には英語と、両言語で講義を行っており、いずれの言語でも学位取得が可能だ。フィールドワークや海外の協定校への学期単位の留学も積極的に支援し、国際的に通用する実践的スキルを習得する。
教授陣は、それぞれの研究分野をリードする一流の研究者に加え、国連事務局、世界銀行などでの実務経験者がそろっている。
大学・研究科独自の奨学金や補助金制度が設けられ、研究生活を支援する。
学生の8割は留学生で、海外協定校への交換留学の他、共同研究、インターンシップ参加も活発。アジア圏トップレベルの4大学と共に共同研究やプレゼンテーションを行うプログラム「EAUI」にも参加が可能だ。今年度からはブリュッセル自由大学と早稲田大学、両方で修士号取得が可能な、ダブルディグリー制度も導入された。
なお、多彩な人材に門戸を開くため、一般入試は年に2回。国籍や年齢は限定しない。在外公館勤務や青年海外協力隊、国際NGOなど海外での国際協力活動を経験した人向けの特別推薦入試(修士課程)も実施している。修了生の進路は公務員、国際機関、国際協力機構(JICA)、NGO、民間企業など多種多様。博士学位を取得した修了生の多くは、国内外の大学教員、研究者として活躍している。

 

先生に聞きました!

アジア太平洋研究科 国際協力・政策研究 教授
黒田 一雄先生

途上国における教育開発と国際協力。アジアにおける教育の地域連携、教育のグローバルガバナンスなどが専門。


私の担当プロジェクトは「グローバル化する世界における国際教育政策」。もともと、途上国の教育開発や国際協力を専門にしてきましたが、近年は欧米先進国からの留学生も多く、テーマは世界に広がっています。
近年の研究科全体のキーワードを挙げるとすれば「地域協力」。アジア太平洋地域、ASEAN+3など、地域内で連携した教育の枠組みに基づいた研究を継続的に行っています。本学の他、北京大学(中国)、高麗大学(韓国)、ナンヤン工科大学(シンガポール)、タマサート大学(タイ)で形成する東アジア共同大学院(EAUI)への参加もその一環。交換留学や共同研究、ジョイントセミナー開催などを通じ、5大学共同で学生教育、人材育成に取り組んでいます。
また、欧米では、ジュネーブ国際関係・開発大学院、ブリュッセル自由大学ヨーロッパ研究所、ジョージ・ワシントン大学エリオットスクールへの留学や、国際機関でのインターンシップ参加も活発です。
当研究科では学生の8割が留学生。出身地域は世界50カ国・地域にわたります。海外大学の学位所持者、国際協力活動経験者など、バックグラウンドもさまざまです。同時に教員の経歴も多彩で、国際公務、外交やマスメディアなどの実務経験者も在籍し、さまざまな国際共同研究に取り組んでいます。経済や政治の視点だけでなく、社会や教育の観点から国際関係・国際協力にアプローチできるのも特徴だといえるでしょう。
またほとんどの授業は、日英の両言語で開講されており、学びの理解度を深めつつ語学力も伸ばせます。 国際協力の形は、先進国が途上国を援助する「垂直」から、互いに協力し合う「水平」へと転換しています。地域という視点、水平的視点から国際協力に関わりたい人にとって、当研究科のプログラムは十分期待に応え得るものであると思います。
日本をはじめ、アジア、世界の未来を一緒につくっていきたいという方の入学を心から待っています!


学生さんに聞きました!

アジア太平洋研究科 修士課程修了 国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン開発事業第3課 プログラム・コーディネーター 池之谷 理恵さん

青年海外協力隊の理科教育隊員としてマラウイに赴任したのですが、限られた資源のなかで教育の質を上げるという課題の難しさを痛感し、国際協力特別推薦入試を利用して、大学院に入学しました。
GSAPSの大きな魅力はバイリンガル授業。じっくり学びたい分野や知らない分野は日本語、留学生とのディスカッションを通して理解を深めたい分野は英語というように、選択肢があるんです。ジョージ・ワシントン大学への交換留学中に、世界銀行本部でのインターンシップを体験することもできました。アクセスしやすい奨学金制度が豊富な点も、早稲田ならではだと思います。
またGSAPSでは、理論を学んだ後、現場で実践するフィールドワークを推奨しています。修士論文執筆に向けた調査のためには何が必要かを考え、自分で組み立てて現地調査を行った経験も今の国際NGOでの仕事に非常に役に立っています。さまざまな人と出会いネットワークをつくれたことも、一生の財産になりました。


『国際協力キャリアガイド2020-21』掲載

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