2016年国際協力キャリアガイド:
東京大学大学院

 

学校紹介
「東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学研究系 国際協力学専攻」

学際性をさらに推し進めた「学融合」という概念で新しい学問領域の創出を目指す東京大学大学院・新領域創成科学研究科。基盤科学、生命科学、環境学の研究系で構成される大学院(修士・博士課程)のみの組織として1998年に設置された。環境学研究系に属する国際協力学専攻は、「開発協力」「環境・資源」「制度設計」の3分野を柱に、文科と理科がバランスよく構成されたカリキュラムで、多彩な学問に触れながら専門性を高めることができる。
研究者だけではなく、実践主義のゼネラリスト育成を目的に掲げており、教授陣の多くが参加する国際協力機構(JICA)の調査事業、海外の大学との共同研究などフィールドワークの機会も豊富だ。海外調査に対す
る助成制度も設けられている。毎年5月に開催される入試説明会では、一人ひとりの研究内容やアプローチ法について個別に教授陣と相談できる時間を設けており、入学前に具体的な研究プランを描くことができる。

 

先生に聞きました!

新領域創成科学研究科 堀田 昌英 教授


国際協力学専攻は、経済学や社会学、工学、農学などさまざまな分野から集ったメンバーが異なる視点と手法論をつなげることによって、新しい知と実践の体系を生み出そうと日々取り組んでいます。私の専門分野は社会的意思決定論と社会基盤マネジメントですが、他にも複数領域の知見を持つ教授陣が多いため、研究に対するアプローチが幅広く、文理融合を体現する研究科であるのが特長です。修了生は国際開発機関、開発コンサルティング会社はもちろん、経営コンサルティング会社、商社、マスコミ、官公庁・地方自治体など多様な現場で実践者として活躍しています。国際協力に関する現実問題に強い関心を持ち、複数のアプローチで解決に当たろうとする人、フィールドを大切にするマインドを持つ人にとって、専門性を深めながら視野を広げる環境が整っています。
 


学生さんに聞きました!

国際協力学専攻 修士課程2年 菊地 梨沙さん

大学時代は昔から好きだった物理学を専攻していましたが、将来は社会とより深いかかわりを持てる分野で活動したいと考えるようになり、世界で起きているさまざまな課題にアプローチする国際協力に関心を持ちました。
大学卒業後に専門分野を変えるのは大きな決断でしたが、今振り返ってみると私にとって最高の選択だったと感じています。開発経済学の鈴木綾准教授の研究室に所属していますが、入学前の個別相談で水資源の分野にも興味がある
ことを伝えると、国際河川の研究者である中山幹康教授を紹介され、最初の1年間はタジキスタンの巨大ダム建設に関する定量分析の研究に携わることができました。2年目は鈴木先生の下、韓国の少子高齢化対策に関する研究で修士論文に取り組んでいます。
少数派と思っていた理工系からの入学者も多く、院生室も研究室ごとではなく大部屋なので、バックボーンが異なる人たちと自由にコミュニケーションを取ることができます。単位選択の自由度が高い点も魅力的ですし、何より研究を自分の手で切り開いていける実感があります。
修了後は海外プロジェクトも多く、幅広いコンサルティングサービスを展開している外資系コンサルティング会社に就職する予定です。大学院での2年間の学びと経験を生かして社会に貢献していきたいと考えます。


『国際協力キャリアガイド2016-17』掲載

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